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2021.07.16

中学生の新たな受け皿として期待 ロウイング

[滋賀レイクスターズロウイングクラブ始動]

滋賀の中学ボート事情

 かつて〝ボート王国〞と呼ばれた滋賀県は、今も実業団の東レ滋賀をはじめ、龍谷大学や同志社大学、京都大学など多くの大学が琵琶湖・瀬田川水域に艇庫を構えるほどボート競技は盛んだ。高校も瀬田工業や大津、膳所、彦根東、八幡商業らが切磋琢磨している。中学も伝統の瀬田や瀬田北が全国で好成績を残してきた。

 その一方で、広がった裾野を次に繋げにくいという課題にも直面してきた。理由の一つには、ボート部を持つ中学校が少ない点が挙げられる。競技が盛んな大津市には18の中学校があるが、ボート部があるのは瀬田と瀬田北のみ。県協会を中心に小学生の競技普及が進む中で、この中学問題はなかなかいい出口が見つかっていない状況である。

一石を投じる存在に

 2008年から総合型クラブを模索してきた滋賀レイクスターズは、2012年に公益財団法人を立ち上げ、バスケットやチア以外のスクール事業にも本腰を入れてきた。2016年5月には「瀬田漕艇倶楽部」とタッグを組み、小学生向けのボートスクールも開催してきた。競技に触れる機会を増やす意味では一つの役割を果たしてきたと言える。その一方で、スクール生が成長し、大きな課題に直面する。そう〝中学問題〞である。
 
 レイクスのスクールで小学4年からボート競技を始めた元安梓(老上1年)は、中学で陸上競技部に所属している。ボート競技を続けたかったが、中学にはボート部がなかった。「だから、小・中学生を対象にしたレイクスのロウイングクラブができて本当にうれしかった」と話す。

 小学5年から競技をはじめた奥村亮太郎(瀬田北1年)は、学校とレイクスの両方で競技を続けている。「もともとは小学3年からレイクスのレスリングスクールに通っていた。体力作りの一環でボートをはじめたが、水上で感じる風の気持ち良さを知ってしまった。学校の部活もいいですが、愛着のあるレイクスで競技を続けられるのがうれしい」と言う。レイクスロウイングクラブの発足は、中学問題に一石を投じている。

 

準備から片付けまで

 滋賀レイクスターズロウイングクラブは、確かなロウイングスキルを学べるのはもちろん、ボートの準備や後片付けといった一連の流れを覚えられる点に特長がある。杉藤洋志ヘッドコーチは「ボートは自分たちで出し入れする。世界のトップ選手もやっていることです。レイクスロウイングクラブでも、まずはその基本を学びます。準備が早くできれば練習時間も増えますし、その分、上手くなれる。この競技をする上でとても大切なことです」と話す。

 取材に訪れた5月8日は、中学生だけで琵琶湖へと漕ぎ出すメニューが組まれていた。操るのは4人乗りのクオドルプル。手際よく準備を済ませて水上に出たものの、最初は息が合わず、思うように前へ進まない。それでも声をかけあって試行錯誤を繰り返すうちに、徐々に息があってきた。水上のクルーだけで課題を解決していく過程は、競技だけではなく社会でも役立つ学びといえそうだ。

 将来的に滋賀レイクスターズロウイングクラブはどうなっていくのだろうか。坂井信介GMは「最終的には成人部門を構え、小学生から日本を代表するトップ選手までが所属するクラブにしたい」と打ち明ける。実現すれば、中学スポーツのトピックスではなく、湖国ロウイング界の新たな潮流になるかもしれない。

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