2021.07.02
奇跡の連続で生まれた優勝物語 安土中学校[サッカー]
新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった昨年の中学春季総体。
3年生は日頃の努力を披露する機会がないまま卒業した。
あれから1年。未だにコロナ禍が続く中、中学スポーツ界はどうなっているのか。
どんな想いでこの春を迎えたのか。2021年の滋賀の中学春季総体をスケッチする。
滋賀県中学校春季サッカー選手権大会決勝戦
安土 1-1(PK3-0)立命館守山
昨年の3年生から学び中体連の頂点をつかむ
2021年5月23日の滋賀県中学校春季サッカー選手権大会は、安土中学校が頂点に立った。決勝戦は1点ビハインドの苦しい展開から、ラスト3分にDF加藤光(1年)がヘディングシュートを決めて同点に。PK戦ではGK西浦颯人(3年)が1本目を止
めて流れをつかみ、3-0で勝利した。
安土の長所は足元の技術を活かしたパスサッカーだ。だが、一番の強みはチームのために戦える一致団結にあった。同点ゴールを決めた加藤は言う。「今年の1年は初心者が多いのに、先輩たちは嫌がらずに面倒を見てくれる」。GK西浦は話す。「昨年までクラブチームにいて、今年から部に入った。優しく迎え入れてくれたみんなの力になりたかった」
今の3年生は面倒見がいいのだと田中秀敏顧問は言う。そこには昨年の3年生の影響もあるようだ。
「去年の3年生は強かった。コロナ禍で大会が中止にならなければ優勝も狙えた。悔しかったと思います。そんな彼らが春休みに学校に来て、人数不足の後輩たちの練習に付き合ってくれた。その姿を見てきたから、今の3年生は優しいのだと思う」
キャプテン井上蒼生(3年)は「単独チームで出られたのは戻ってきた3年生や新入部員のおかげ。このチームで優勝できてうれしい」と笑った。