2021.05.12
滋賀銀行 Lake Venus 女子バスケットボール部
コロナ禍を吹き飛ばす快進撃。全国大会で初のファイナル進出。
初のファイナルで得たもの
滋賀銀行Lake Venus(レイクビーナス)が、今年2月の全日本社会人地域リーグチャンピオンシップ(全国)で準優勝に輝いた。創部45年の名門チームの歴史の中で初の快挙。副キャプテンの段下真衣は「決勝で敗れた悔しさはあります。でも、もともと目標がベスト4だったので、準決勝で山形銀行に勝ったことがうれしかったです」と笑顔で振り返った。
2020年度のレイクビーナスは、コロナ禍の難しい1年を過ごしてきた。緊急事態宣言下の約2ヶ月は全体練習を自粛。再開後もしばらくは2チームに分かれて練習を行ってきた。6月の大会が中止になり、練習試合もなかなか組めない中で10月の西日本地域リーグ(西日本)開幕を迎えていた。
青山友香コーチは「選手たちは大会が本当に開催されるかどうかも分からない状況で、よくモチベーションを保ってきたと思います。素直にすごいなと思います」と選手たちを称賛した。自粛期間の2ヶ月間は体幹トレーニングやシューティング練習などを各々が繰り返したという。結果、試合後半でも走力は衰えず、高いシュート成功率で相手を畳みかけられるチームになった。そして、西日本6戦全勝で初優勝の快挙を果たした。
今シーズンで現役引退を表明していた長浜市出身のキャプテン木村仁美は「西日本では、ライバルの紀陽銀行にも勝って全勝優勝できました。全国も目標のベスト4に入れましたし、個人的にはやり切りました。悔い無しです。全国制覇という夢はチームに残るみんなに託したいと思います」と話す。
全国の決勝ではライバル紀陽銀行との再戦になった。後半に強い滋賀銀行が、逆に後半に突き放されて敗れてしまう。原因は選手たちの疲労蓄積だった。
青山コーチは「実力的には勝てた試合。でも、大会(4試合)を通した選手ローテーションが相手の方がうまくいっていたのだと思います。私の責任ですね」と話す。もちろん、敗者に課題が残るのは勝負事の常。だが、それ以上に初のファイナル進出で得たものは大きい。特に優勝まで〝あと一歩〞を肌で感じられたことは、次のシーズンにつながる好材料と言えるだろう。次は初の全国制覇、その朗報を待ちたい。