2021.05.01

B.LEAGUE 2020-21シーズン B1クライマックス 紆余曲折の今シーズンを振り返る。

自信を深めた金星

初のチャンピオンシップ出場に手が届きそうだった。それくらい勢いがあった中で、滋賀レイクスターズの昨シーズンは終了した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、Bリーグ自体が打ち切りになったからである。

だが、本当の悲運はシーズン終了後に待っていた。キャプテン狩野祐介をはじめ、高橋耕陽や佐藤卓磨といった主力選手たちが次々と移籍。小川伸也AC(現京都HC)もチームを離れ、ショーン デニスHCが3年間をかけて積み上げてきたウイニングカルチャーは、一瞬にして消えてしまった。

大幅に選手が入れ替わる中、1からチームの作り直しを迫られた今シーズン。コロナ禍の影響で外国籍選手の合流が遅れるなど、不安を抱えながら開幕を迎えた。

だが、開幕4戦目の横浜ビー・コルセアーズ戦で今シーズン初勝利に成功すると、新戦力の晴山ケビンや村上駿斗ら日本人選手たちがチーム戦術への理解を急速に深めていく。

そしてジョーダン ハミルトンら外国籍選手3人もチームにフィットしはじめ、優勝経験のあるアルバルク東京と宇都宮ブレックスから金星を挙げた。強豪相手にも勝てるポテンシャルはある。いい意味で予想に反し、2020年を10勝15敗というまずまずの戦績でで終えることになった。

 

 

野本の活躍で加速

2021年に入り、筑波大学から特別指定選手の野本大智が加入したことでチームはさらに勢いを増す。1月23日に行われたサンロッカーズ渋谷との第1戦でデビューした野本は、翌日の第2戦でプロ初得点をマーク。

続く琉球ゴールデンキングス戦では初のスタメン起用と一気に注目を集める。その後も着実にプレーイングタイムを確保し、すでにレイクスに欠かせない選手となった。

野本の活躍に触発されるように、大卒ルーキーの前田怜緒や新加入の村上らも躍動。2月27日の三遠ネオフェニックス戦では狩俣昌也がチーム2位の21得点、前田が3位の18得点とブレイクし、今シーズン2度目の100点ゲームで勝利してみせた。

3月28日の川崎ブレイブサンダース戦を終えた時点で、レイクスは16勝31敗で西地区7位。ショーン デニスHCは「今シーズンの選手たちは期待以上のプレーをしてくれている。レイクスを支えている方々も誇りに思ってほしい」と讃えている。

残念なのは過去にレイクスに所属した高橋(三河)や佐藤(千葉)、並里成(琉球)、ジュリアン マブンガ(富山)らに勝利していない点だ。ホーム最終戦では前キャプテン狩野や齋藤拓実(名古屋D)との対戦を控えている。なんとか、一矢報いたい。

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