2020.08.17

全中ファイナルへの鼓動 [陸上・4×100mリレー]聖徳中学校 陸上競技部

~全国への想いを誌面にぶつけろ!~
新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、インターハイや全国中学生大会(全中)が中止となった。
それに伴う県内予選なども無くなり、中・高生アスリートたちの夏が奪われた。
だが、今まで努力してきた日々が色あせることもない。
その想い、誌面にぶつけろ!

Case.08 聖徳中学校 陸上競技部
[陸上・4×100mリレー] 石川優空・加藤晴菜・田中瑛美莉・布施結衣子
順調に縮めたタイム

 昨年8月の全中4×100mリレーで、和歌山の桐蔭中学校が10年ぶりに中学新記録を更新した。タイムは47.04秒。前の記録を0.26秒も縮める大記録だったが、驚くべきはチーム結成から3ヶ月でタイムを3秒以上も縮め
た点。結成当初の5月はまだ50秒台。まさにシンデレラストーリーだった。

 今年の聖徳中学校リレーメンバーには、昨夏の桐蔭と同じような道を再現できる可能性があった。

 昨年7月の通信陸上でメンバーを結成し、新人戦にあたる10月の秋季総体で優勝(50.87秒)。この3ヶ月でタイムを約1秒縮めた。

 予定では、今年の春季総体で49秒台、リレーの滋賀県代表を決める7月の通信陸上で48秒台を出し、その勢いをもって全中ファイナルへと駆け上がるはずだった。だが、その全中が中止になった。

 小学生の頃に全国を経験してきた第3走の田中瑛美莉(2年)は「私は2年生なのでまだ来年があるけれど、先輩は今年が最後。先輩とリレーを組めたのはうれしいけど…」と複雑な心情を口にした。

 聖徳中学の練習テーマは「全力を出しきる」だと大岡宗平顧問は話す。「1月のベスト、2月のベストという感じで毎月のベストを記録し、暖かくなるにつれてタイムを伸ばしていくイメージです」

 それだけでも十分な練習だが、この4人は休みの日に集まって自主練習も行ってきたという。
 第1走の石川優空(3年)は「大会前は土・日の部活がない日でも集まってバトン練習をしていました。みんなで真剣に、全中の決勝を狙っていました」と振り返る。

 アンカーの布施結衣子(3年)は「このメンバーで48秒台を出して全中に行くと決めていた。そのために4人で頑張ってきたし、自信もあった。全中が中止になったのは残念で悔しい」と話す。

 だが、キャプテンで第2走の加藤晴菜(3年)には、悔しさ以外の気持ちもあるようだ。「冬にケガをして、メンバーに入れるか不安でツライ時期がありました。その時、3人が支えてくれた。全中で恩返しできないのは残念だけど、みんなのおかげでまた走れるようになりました。そのことは素直にうれしいです」

 約3ヶ月のコロナ自粛が明け、6月上旬に部活が再開された。全中はないけれど、一緒にバカみたいに笑ったり、泣いたりする日常は少しずつ戻ってきた。

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