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2020.02.01

【特集 女子力。】NEXT STAGE1①

常に新たなステージへと挑戦を続ける選手たち。
今回は2020年の活躍が期待される
湖国の女子アスリートたちをフィーチャーする。

[女子サッカー]中島依美
NOW INAC神戸レオネッサ ▶ NEXT 東京2020改め、成長し続ける

キャプテンの経験が成長に

 2019年のFIFA女子ワールドカップフランス大会に出場した中島依美(INAC神戸レオネッサ)は、国を背負う重みのようなものを感じていた。
「親善試合で強豪国と戦うことは何度もあったけれど、ワールドカップは初めての経験。あの規模の大会になると、相手のモチベーションも親善試合とはまるで違いましたし、初めて戦う国に勝つ難しさも味わいました。ベスト16で終わったのは、やっぱり悔しいです。でも、その中で自分たちが置かれている位置を理解できたことは収穫ですし、これをいい経験にしないといけないと思います」

 日本がワールドカップ初優勝を果たした2011年、中島は日本女子代表に初招集された。当時の日本は、技術・戦術・戦う姿勢などどれをとっても世界を凌駕していた。最終的に中島はワールドカップのメンバーには選ばれなかったものの、元日本代表の澤穂希さんや宮間あやさんらレジェンドと共にプレーした経験は大きい。

 そんな当時の若者も今は29歳。後輩たちの手本となるべき年齢にさしかかった2年前、中島はINAC神戸でキャプテンを任される。これがいい転換期となった。
「2018年・2019年とキャプテンをやらせていただきました。監督の指名で就任しましたが、言われた時は”え〜、なんで私〜”と思いました(笑)。過去にキャプテンをした経験もないですし、何より自分はキャプテンぽくない。だから、難しい部分もありました。ただ、今はやってよかったなと思います。それまでは年上の選手と一緒にいることが多かったんですが、キャプテンになって、後輩たちに気を配るように意識が変わりました。それがサッカーにどう生かされているかはわからないですが、人として成長できた部分はあるかなと思います」

悔しすぎた2016

 2020年7月に東京オリンピックが開幕する。まだ、中島がメンバーに選ばれるかどうかは分からないが、「オリンピックにかける思いは強い」と彼女は語気を強める。

 その理由は、2016年にまでさかのぼる。なでしこジャパンがリオデジャネイロ五輪アジア最終予選で敗れた年だ。中島は最終戦のベトナム戦でゴールを挙げる活躍を見せたが、健闘むなしく予選3位で五輪への道は閉ざされた。
「リオ五輪のアジア予選で負けたことで、日本の女子サッカー熱が消えてしまったような感覚があった。実際、人気が下がり、スポンサーさんも離れたと思います。でも、それは自分たちが結果を残すことで、取り戻せると思っています。代表に選ばれた人間には、それを取り戻す責任がありますし、覚悟を持って戦わないといけないと思います。ワールドカップのベスト16ではダメ。リベンジではないですけど、また世界と戦える機会(東京オリンピック)があるので、そこに向けて自分がやれることを全力でやっていきたいです」

 2019年はラグビー日本代表がワールドカップ躍進で大ブレイクした。東京オリンピックの結果次第で、なでしこブームに再び火がつく可能性はある。

INAC神戸で結果を

 東京オリンピックへの思いが強い中島だが、サッカー選手としての終着駅はそこではない。
「オリンピックメンバーに残るためには、INAC神戸で試合に出続けて結果を残さないといけないと思っています。でも、オリンピックのためにINAC神戸で戦うのではなく、INAC神戸がタイトルを取るために私たちは戦っています。今季はメンバーも少し変わったので、今年こそはタイトルを奪還したい。(ノックアウト方式の)皇后杯のように、1戦1戦を”負けたら終わり”くらいの危機感をもってやっていきたい。長丁場のリーグ戦でモチベーションを維持するのはなかなか難しいけれど、全員が同じ方向を向いて、1人1人が自分の力を出し切れればINAC神戸は強いと思います。一つにまとまることができれば、結果は自然とついてくると思います」

 昨年は、初めて滋賀(東近江市)で公式戦を戦った。「滋賀でサッカーをしたのは小学校時代の3年間のみだから、正直そこまで思い入れはなかった」という。ただ、その凱旋試合で感じたことがある。
「改めて、滋賀の多くの方に応援していただいているんだなと感じることができました。見に来てくれた方々に、勝つところを見せられなかったのは残念でしたが…。今年は滋賀での試合はないですが、1戦1戦を大事に戦って、滋賀の方たちにもいい報告ができるように頑張りたいです!」

 最後に、今回の特集テーマであるネクストステージについて聞いてみた。あなたが次に挑戦したいステージはどこですか? そこで何を成し遂げたいですか? 

 もちろん、東京オリンピックでの頂点という答えが返ってくると思ったが、彼女のプレースタイルのように、見事な意表をつくパス(答え)が返ってきた。
「次のステージかぁ。んんん…。常に今のままではダメだと思っているので、ステージに関係なく、成長し続けたいと思っています」

 真のネクストステージとは、案外そういうものかもしれない。

中島 依美

INAC神戸レオネッサ

Profile/なかじま・えみ。1990年9月27日生まれ、野洲市出身。野洲ジュニアフッボールクラブ、ラガッツァFC高槻、FCヴィトーリアを経て、高校卒業後の2009年からINAC神戸レオネッサへ。2011年に日本女子代表に初選出。2013年の東アジアカップで代表初ゴール。2019年にはFIFA女子ワールドカップに出場。代表通算77試合出場14ゴール。なでしこリーグベスト11には2回(2013年・2017年)輝いている。158㎝、48㎏。

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