先生の言葉に嘘なし。3年で湖国最強に。

”はな”が咲いた夏と秋

　シングル（1人乗り）で夏のインターハイと茨城国体に出場した。ともに本戦は準決勝敗退だったが、滋賀から両大会の女子シングル（WK―1）で出場した選手は彼女だけ。八幡商業高校の馬場はな（3年）は、間違いなく湖国が誇る女性カヌースプリンターである。

　馬場がカヌーを始めたのは高校から。それまでは競泳選手で、中学時代はリレーで全国大会に出場するほどの実力者だった。
「でも、高校では違うスポーツがやりたいなと。カヌー部の見学（体験）に行った。そこで当時顧問の富永（寛隆）先生に”君は速くなれる”と言われて…。それで入部しました」

　その言葉に嘘はなかった。高校1年の近畿新人大会でいきなり準優勝。これで馬場は、完全にカヌーに魅了されることになった。

　高校2年の昨年は、フォア（4人乗り）で近畿大会1位に。国体では大津高校3選手と馬場でフォアを組んで出場した。そして今年はインターハイ予選のフォアで強豪・大津高校に勝って八幡商業高校の女子として初出場を果たし、しかも全国3位に入った。

しかも全国3位に入った。　馬場は、こだわってきたシングルでも全国の舞台に2度出場。競技歴3年目で”はな”を咲かせた。
「フォアでは結果を残せた。でも、シングルはインハイも国体も決勝に残れず。国体では、波が出てくると自分の力を出せないという弱さも出てしまった。来春から強豪の関西学院大学へ進みます。シングルでも勝てる選手になるために、持ち味のパワーをより磨きたい」

　今度は大学の舞台で、どんな大輪を咲かせるか楽しみに待ちたい。