2019.10.25
[障がい者ボート]琵琶湖ローイングCLUB
『漕志想愛』のクレドで目指すBIWAKO拠点の、みんなの遊び場
”びわろー”の愛称で親しまれている「琵琶湖ローイングCLUB」は、障がい者ボートを楽しむ人たちが集うクラブチーム。代表理事の小原隆史氏が2014年5月に法人を設立し、東京パラリンピックを目指す谷口佑樹らトップアスリートの育成や競技の普及など湖国に根ざした活動を続けている。
ラテン語で志や信条などを意味するクレドは『漕志想愛』。「ボートを愛し、仲間を愛し、互いの違いを想い愛(尊重)行動する」精神が、4文字に込められている。
「障がいがある、無いに関わらず、みんなが一緒にスポーツできる環境を作りたい。それが”びわろー”設立の原点です」(小原氏)
その思いは、誰もが楽しめるユニバーサルスポーツの実現を目指す「レインボー丸プロジェクト」に発展。さらに、琵琶湖のスポーツ拠点をつくる「なぎさビーチパーク構想」(P 30関連コラム)などへと枝葉が広がっていく。
とはいえ、「びわろー」の原点は昔も今も、これからも変わらない。
その方針に賛同し、同志社大学ボート部の武田知也監督は今年7月から子供2人を通わせはじめた。
「小学4年の息子が自閉症で、サッカーなどの集団スポーツをするのが難しかった。でも、何か一所懸命になれるものができればいいなと思って連れてきました。長年ボートに関わってきましたので、子供を水上に出す危険性は理解しています。でも、危険は歩道を歩いていても存在しますし、水上が特別ではありません。むしろ、危険を認知しやすいボート競技を通して、子供たちにはリスクを察知する感覚を身につけてもらえたらいいなと思っています」
大事なことは母なる湖が教えてくれる。琵琶湖と人々とをつなぐ架け橋になる存在が”びわろー”と言えるかもしれない。
琵琶湖ローイングCLUB
Team Profile/2014年5月9日に法人を設立。琵琶湖漕艇場を拠点に、基本は毎月第1・第3日曜日に練習を行う。メンバーは約50人。東京パラリンピックを目指す谷口佑樹選手らトップアスリートから、つい先日始めた「びわろーキッズ」の小学生まで幅広い。パラローイングの普及を目的とした「びわろーまつり」や湖上スポーツの発展を目指した「BIWAKO湖フェス」など精力的に活動中。