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2019.06.14

ドーピング“ゼロ”を目指して。 スポーツファーマシストの本分。

指導者として、ボランティアとして、親として…。
スポーツは選手だけではなく、支える人たちの助けがあって初めて成立するもの。
連載[SOS]では、そんな縁の下の力持ちにスポットを当てていきます。

ドーピングに対する選手の意識を変えたい。

スポーツファーマシストとは?

 プロ選手や実業団アスリートたちにとっては馴染みがあるかもしれない。 だが、一般的にはどうか。 「スポーツファーマシスト」。 そう聞いて”ドーピングに関する知識を備えた薬剤師”だと即答できた読者は、このセンテンスを飛ばしていただいて構わない。

 日本アンチ・ドーピング機構(通称・JADA)が、スポーツファーマシストの認定制度を取り入れたのは2009年の静岡国体から。10年が経った今年4月には全国9530人の薬剤師が認定を受けている。 滋賀県での公開登録者は37名。 国体(国スポ)壮行会でアンチ・ドーピングのブースを設け、”この薬は大丈夫?””病院で処方された風邪薬は問題ない?”といったアスリートの疑問に答えるなど、地道な活動を続けている。

気軽に相談できる関係性を

 滋賀県競技力向上対策本部の医科学サポート スポーツファーマシスト部門の部長を務める岸本仁文氏(滋賀県薬剤師会)は、4年前にJADAの認定を受けた。 滋賀県薬剤師会に職場を移したのがきっかけだった。
 「薬剤師会の仕事をする前は、スポーツファーマシストについて詳しくは知りませんでした。 でも、趣味でテニスをしていたこともあって興味を持つようになり、知れば知るほどスポーツファーマシストの重要さがわかりました」

 認定を受けてからは、県内の講演会や強化指定校などでドーピング検査に引っかかる薬への対策などを選手たちに伝えてきた。
 「興奮剤などのわかりやすいもの以外にも、知らず知らずに禁止薬物を摂取しているケースがあります。 例えば、胃薬や風邪薬にも成分が含まれています。身近なものでは南天エキス入りのど飴など。 でも、毎年のように対象となる成分が変わるので、アスリートが自分で把握するのは困難です。 だから、選手の方々には気軽に相談してほしいと思っていますし、気軽に相談できるような関係性を築いていきたいと考えています」

 最近では 「公認スポーツファーマシストが在籍しています」 と書かれたステッカーが貼られた薬局やドラッグストアを見かけるようになった。 これが貼られた店舗には、認定を受けたスポーツファーマシストが常駐している。 ”うっかりドーピング”が心配な選手は、JADAホームページで県内在住のスポーツファーマシストを検索し、最寄りの方に相談することをおすすめしたい。

サプリ、プロテインは要注意

”うっかりドーピング”で注意したいのは、サプリやプロテインだと岸本氏は訴える。
 「普段の食事の中にも禁止成分は含まれています。 例えば、カレーライスのスパイスに興奮剤と同じ成分が含まれているとか。 でも、食事で摂取できる量は少なく、ドーピング検査にはまず引っかかないと考えられます。 でも、サプリやプロテインは効率よく摂取できるように工夫されたものですので、検査で引っかかる可能性が食事よりも高くなります」

 また、意外なところでは漢方薬も注意が必要だと岸本氏は続ける。
 「風邪をひいた際に、葛根湯という薬を処方されたことはありませんか。 あれにはエフェドリンという禁止成分が含まれています。 大会前に風邪を治したい気持ちはわかりますが、漢方薬を飲む前に一度スポーツファーマシストに相談してほしいです。 ドーピング検査に引っかかって被害を受けるのは、選手本人ですから」

 ドーピング確信犯なら自業自得でケリがつく。 だが、無知が原因で失格になれば、悲劇としか言えない。 今までの努力を水の泡にしないためにも、スポーツファーマシストを頼ってほしい。

滋賀県競技力向上対策本部 医科学サポート
スポーツファーマシスト部門部長
岸本仁文氏(滋賀県薬剤師会)

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