2019.05.24

[野球]玉川中学校 軟式野球部

滋賀の中学軟式野球が盛り上がっている。 8月17日〜20日に 「第41回全国中学生(全中)軟式野球大会」 が大津、草津、守山、甲賀で開催されるからだ。 今年は県夏季総体(7月20日〜)の優勝校が、近畿大会免除で全国に出場できる。このチャンスを逃すまいと、夏のシード権をかけた春季総体(5月16日・17日)も例年以上に各ブロックで熱戦が繰り広げられそうだ。

 そんな中、夏の主役候補にいち早く名乗りを上げたのが玉川中学軟式野球部。 昨年の秋季大会で優勝し、周囲の目も変わったとキャプテン山口友也(3年)は話す。

 「準決勝で市立守山に競り勝ち、同日の決勝では南郷を倒して優勝できた。 それから、合同練習などでは相手チームからチャンピオンとして扱われるようになった。プレッシャーもあるけれど、自信にもなっています」

 チームを見てきた西出尚記コーチは 「優勝したことで部員たちにプライドが出てきたと感じます」と部員たちの成長を口にした。

 冬場には”ウサちゃんダッシュ”と呼ばれる名物メニューで足腰をベースアップ。 副キャプテン岡圭亮(3年)はその効果をこう話す。「バックネットからウサギのイラストが描かれた部室まで約100mの距離をダッシュ。ペースは往復(200m) 40秒前後。 多い時で10往復をボール練習前にやってきた。厳しかったけれど、乗り越えたことで自信にもなりました」

 ウサちゃんダッシュもそうだが、玉川の良さは”今ある”環境の中で強くなる工夫をする点にある。 その一つが、テニスボールを使った打撃練習。 他の部に配慮して打球があまり飛ばないテニスボールを使っているのだが、実は別の狙いもある。 松田慎太郎監督は 「あまり飛ばないのでボールの回収がはやい。 つまり、同じ時間でも打撃練習の回数を多くすることができるんです」 と話す。

 平日に使えるグラウンドは4分の1程度。 決して恵まれた環境ではない中で、いかに工夫して上手くなるか。 玉川中の持ち味であるチームワークの良さも、みんなで工夫する中で生まれるのだと主砲・中島凌愛(3年)は話す。

 「玉中は、誰かがエラーしても、それを責め立てる部員はいません。限られた環境で支え合ってきたからだと思います」

 目標は全中出場ではなく、全国ベスト8。 玉中の挑戦がいよいよ本格的に始まる。

玉川中学校 軟式野球部
Profile/部員27名(新1年生は除く)。昨年の滋賀県秋季大会で優勝し、今年8月に滋賀県で開催される全国中学生大会出場への気運が高まっている。キャプテン山口友也、捕手兼投手の中島凌愛の2枚看板を軸に、粘り強い野球が持ち味。



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