2019.02.15

RUN&RIDE~もっと速く~ 小澤信一

次のステージへつなげる。箱根優勝2回の元〝いだてん〞の考え。
大学時代、箱根駅伝の総合優勝2回に貢献した〝いだてん〞小澤信一(草津東監督)が、滋賀にやってきたのは今から40年前の1979年。 滋賀インターハイと、2年後にびわこ国体を控えた頃だった。 水口中学、水口東高校を合わせて20年を過ごし、草津東高校に赴任したのは17年前。 両校合わせて全国高校駅伝に男女計28回も導くなど、選手としてだけではなく指導者としても大いに手腕を発揮してきた。

教え子には、先に紹介した小澤直人(早稲田大学)や棚池穂乃香(京都産業大学)のほか、女子50㎞競歩の初代日本記録ホルダー園田世玲奈(中京大学)、日本陸上に出場している走高跳の瀬古優斗(中京大学)、U20日本陸上選手権2018の400mハードルに出場した小﨑遥(日本体育大学)、昨年のU20世界陸上選手権に出場した澤大地(草津東高校)など、日本トップクラスの選手たちがいる。専門の長距離に限らず、生徒の適性に合わせた指導で〝伸びしろ〞を作るのが小澤先生の一つの方針だ。

「大学や実業団といった次のステージでも頑張れる何かを残してやりたいと思っています。 理想は、私が何かを押し付けるのではなく、仲間といい刺激を与えあえるような環境を作ること。 みんなで練習して、夢をもって卒業してほしいと思っています」

競歩の園田は 「高校時代に小澤先生から競歩をやってみないかと言われた。最初は独特の歩き方が恥ずかしくてイヤだったけれど、今があるのは先生のおかげです」 と話す。

長距離の棚池も 「お前は厳しい環境の方が伸びるから京都産業大に行った方がいいと言われた。 実際、その通りでしたし、感謝しています」 と言う。

小澤先生はそれぞれに合った〝道筋〞を発見し、導くのが上手い指導者なのかもしれない。そんな小澤先生に、せっかくなので春からランニングを始めようと思っている読者に、楽しく走るための心得とコツをうかがった。

「ゆっくりでもいいし、途中で歩いても大丈夫なので、まずは20分の継続を目指しましょう。 クリアできたら30分、40分とタイムを伸ばしていく。 そのうち、もっと速く走りたいとか、もっと長い距離を走りたいとか、ぞれぞれの目標ができると思うので、今度はそれに合わせていけばいいと思います。 走るコツは…無理せず、楽しく、〝続ける〞ことが大切だと思います」

なるほど。 琵琶湖の湖岸で走っている人を見て〝ちょっと走ってみようかな〞と思ったことのある読者の方々、名将のアドバイスを参考にしてみてはいかがだろうか?

小澤 信一

草津東高校陸上競技部監督

Profile/おざわ・しんいち。1957年3月4日生まれ、静岡県出身。日本体育 大学時代には箱根駅伝総合優勝2回を経験。1979年の滋賀インターハイ・1981年のびわこ国体の開催に合わせて滋賀県へ。水口中学で3年、水口東高校で17年の教諭生活を経て、現在は草津東高校で17年目。水口東・草津東を合わせて教え子を男女計28回も全国高校駅伝へと導いた。都道府県対抗男子駅伝滋賀チームの監督も務める。

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