2019.02.01大宮健司
背中で引っ張る主将 / #32 狩野祐介
勝利が近いようで遠い。苦しいシーズンを送る滋賀レイクスターズだが、キャプテンを任されている狩野祐介が下を向くことはない。
3Pシューターとしても、開幕から3Pシュートの成功率もリーグトップ5を争うなど、背中でチームを鼓舞している。
1月30日のホーム福岡戦では、今季自己最多タイの6本の3Pシュートを決め、チーム最多の25得点で勝利に導いた。
「強豪相手にも接戦に持ち込む力は持っている。あとは勝ちたい気持ちが最後まで続くか。下を向いている暇はない」。勝てない試合が続くとき、試合後のメディア取材で矢面に立たされるのは主将の仕事だ。それでも、狩野は常に率先して会見場に現れ、前向きな言葉を並べてきた。練習場では「コミュニケーション!」と狩野の声が響く。今季のチームには伊藤大司や荒尾岳といった経験豊富なベテランがそろっているが、28歳の主将は臆することなくリーダーシップを発揮している。
増える得点、強まるプレッシャー
個人では、かつてない相手からのプレッシャーにさらされている。迷うことなくゴールを狙う積極性で3Pの試投数は昨季比で急増。11月の富山戦では31得点の自己最多記録を更新した。と、同時にディフェンスは日に日に厳しくなり、ボールのないところで激しく体をぶつけられるなど、受ける以前の戦いで苦労を強いられるようになった。30分間近い出場時間がありながら3Pを1本も打てない試合もあった。
これは相手に驚異を感じさせる“ハンター”として認められた証拠。「狩野をつぶせ」はレイクス対策を練る相手にとって真っ先に考えるべき戦略となった。「それでも決められるようなシューターになりたいと思って練習している。メンタル面の勝負だと思っている」と狩野。最近では、3Pを警戒する相手の裏を欠いたドライブなどからの得点パターンも徐々に増え、自身初となる1試合平均2桁得点のペースを維持している。
苦しい流れを断ち切り、チームに勢いをもたらす3Pシュート。背中で、プレーでチームを引っ張る主将の勝負所の大きな一発が決まれば、レイクスは限りなく勝利に近づく。
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狩野祐介
滋賀レイクスターズ
1990年4月18日生まれ、福岡県出身/184cm/80kg 福岡第一高→東海大→東京エクセレンス→滋賀レイクスターズ(2016~)