2019.01.18
スポブラの進化、美を支える/女性のスポーツインナー事情Ⅰ
スポブラ、メリットの理解を
高機能化やデザイン性の進化が著しいスポーツアパレル。だが、身体に密着しているはずのインナーについては、もしかしたら軽視されがちなのではないか。第1回目となるレイクスマガジンジャーナルでは、女性にとって最も身近なスポーツギアといえる 「スポーツブラジャー」 に着目。「CW-X」 を展開する下着メーカーのワコールを訪れ、スポブラを着用するメリットなどを聞いた。
「なぜスポブラをつける必要があるかと言うと、バストは筋肉ではなく靭帯で支えられているからです」と話すのはワコール ウエルネス事業部の竹波祥代さん。一般的なブラジャーは立体の状態で着用する事を目的として設計されている。バストの形状を保持するために、細くて硬いワイヤーが入っていたり、見た目のかわいらしさを重視して、華奢なデザインになっている。しかし、これだと運動の際にバストを十分支えることができないのだという。
「運動によってバストが揺れることで、将来的には下垂につながる恐れがあります。外的な刺激からバストを守ってあげる必要があります」(竹波さん)。例えば、走る動作では、バストは円を描くように揺れ、あらゆる方向に強い力がかかる。 こういった運動による負荷を想定してデザインされているのが走る人用のスポブラだ。 肩掛けストラップが太く、上下左右の方向からサポートラインを入れているので走ったり跳んだりする動きからバストをしっかりと守ってくれる。
「苦しい」 先入観で敬遠傾向
ところが、スポブラの着用率は若年層ほど低くなっている傾向があるという。その大きな要因となっているのが、先述したメリットについての認知不足だ。
「スポブラというと、『締め付けられて苦しい』 という先入観を持たれてしまっている。 特に、おしゃれに敏感な10代や20代前半は、見た目の面からもスポブラを敬遠しているようだ」と竹波さんは話す。 この傾向は、意外にも大学で競技スポーツを続けている層にも見られるのだという。
ワコールは、こういった誤解を解消し、スポブラを着用するメリットを若者たちにも理解してもらう啓発活動を行っている。 また、デザイン性でも種類を増やし、レベルを問わずスポーツをする女性全般へのスポブラの普及に取り組んでいる。 竹波さんは 「着用してみるとその違いがすぐにわかる。必要性を感じて、スポーツをする人には選んでもらいたい」と、話している。