2017.07.01
【Face of Campus SPECIAL】湖国からの挑戦状④
FILE.05[TRACK&FIELD]びわこ成蹊スポーツ大学陸上競技部
滋賀陸上界の流れを変える”びわスポ”の新たな動き
一丸でつかんだ関西1部昇格
びわこ成蹊スポーツ大学陸上競技部(男子)が、5月上旬の 「第94回関西陸上競技対校選手権大会(関西インカレ)」で男子が総合得点2位に入り、関西1部リーグへ復帰した。 前キャプテンの菅浪裕也(4回生)は 「個人では、競歩で2位だったけれど、大会新を出せた。何より関西1部に返り咲けたのは良かった」 と振り返る。
男子100mと200mでは吉田拓也(4回生)が3位と健闘。 「昨年から体づくりに取り組み、ベースアップを目指してきた。 まだ完全には体が仕上がっていない中で3位に入ったことは一つの収穫。来年は日本陸上の出場を目指したい」 と意欲を見せている。
今年4月から大学に赴任した石井田茂夫総監督も1部復帰を喜んだ。 「部が新体制になるという動きの中で、みんなが一体となって1部昇格。 気持ちが結果につながってうれしい」。
滋賀の代表として活動する
高島市出身の石井田総監督は、京都の花園高校を全国の強豪へと導いた人物。 大学では主に短距離と投擲のコーチングを行う。 かつてインターハイ砲丸投3連覇を果たした石山歩を育てた名将を慕って大学へやってくる選手もいる。 大阪高校出身のやり投選手、岡林つぐみ(1回生)もその一人だ。「石井田先生の元で自分を磨き、高校3年の国体優勝時に出した自己ベスト( 55m 53)を更新したくてこの大学を選びました。 先生の説明はわかりやすく、自分でも伸びそうな気配を感じています。今年はまず全日本インカレ3位以内に入りたい」
また、三段跳の日本トップアスリートでもある藤林献明監督を慕ってくる選手もいる。 走高跳の上島みどり(大学院1回生)は、立命館大学を卒業後、今春からびわこ成蹊スポーツ大学へやってきた。
「前の大学で藤林先生に2年間教えていただいていた。 先生に声をかけていただき、こちらの大学へ来たら…、高校の恩師の石井田先生までいて驚きました(笑)。 この恵まれた環境で、高校2年から更新できていない自己ベスト(1m 81)を更新したい」
大阪や京都を中心に続々とトップ選手が集まりつつある。 しかも、今回取材した4人はいずれも滋賀県陸上競技協会に籍を移し、滋賀のアスリートとして活動している。 湖国の有望選手が次々を県外へ流れる中、いわば”逆輸入”的なこの動きは非常に興味深い。