2017.05.01

皇子山中学校 フェンシング 松本璃音

すべてが好転。フェンシングとの出会い。

身長165cm。長いリーチとバレエ仕込みの柔らかい股関節から生まれる鋭い突きが、松本璃音(皇子山中学2年)のストロングポイントだ。 彼女がフェンシングを始めたのは、小学6年の冬。未来のトップアスリート育成を目指した「滋賀レイキッズ」の体験会で剣をにぎり、魅了された。「人を突く。その初めての感覚が新鮮で、楽しかった。バレエにはないですからね、そういう場面は(笑)」 小学校を卒業してからも競技を続けるかどうかを問われ、「続けます」と即答した。親に頼んでマイ道具を揃えてもらった。すでに県内の中学トップ選手に成長し、週3日うち1日は石山高校フェンシング部のメンバーと剣を交える。まさに将来の有望株だ。だが、松本がフェンシングと出会って最も成長したのは、競技能力もさることながら「普段の生活」だという。 指導にあたる石山高校の畑中正道顧問は「石山高校で競技を続けたいと思っているそうです。聞いた話では、そのために勉強も頑張っているとか」と話す。平日の放課後は、塾、バレエ、フェンシングのどれかに通い、土曜・日曜は2つ、3つ掛け持ちは当たり前。かなり忙しいが、それでも「楽しい」と言い切れるあたりが成長の証だろう。 そんな超中学級の彼女が、5月14日に京都・大山崎体育館で行われる「全国中学校選手権大会近畿ブロック大会」に出場する。上位8位に入れば全国大会への道も開ける。新たにシンデレラストーリーのページをめくるチャンスだ。「勝って全国に行きます。」松本の白い歯がキラリと輝いた。

 

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