2021.01.28
[バドミントン]「インハイの準備をしたら…」。 先輩の一言で気持ちをリセット。
「インハイの準備をしたら…」。 先輩の一言で気持ちをリセット。
[バドミントン] 桑原明也 瀬田北中学校
昨年、中学2年で県春季総体を制した瀬田北中学バドミントン部の桑原朋也(3年)は、今夏の主役候補だった。昨年は近畿大会3位に輝き、3年生が抜けた今年は全国中学生大会(全中)でも上位進出が狙えた。
だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で全中が中止に。県の春季・夏季総体も行われず、寂しい中学ラストイヤーとなった。
普通の人ならかなり凹む。桑原も少し落ち込んだ。だが、すぐに気持ちを切り替えられたという。きっかけを与えてくれたのは、部活とは別に通っているバドミントンクラブの先輩だった。
「パナジェイ(Pana-J/MEWバドミントンチーム)というクラブに尊敬する大学生の先輩がいます。その方に〝インハイの準備したら…〞って言われました。練習に身が入っていないと感じたからかもしれません。その言葉で大きな目標を思い出すことができました」
すぐに気持ちを切り替えた桑原は高校での青写真を描いてみた。まず1年でインターハイに出場する、2年でベスト16入り、そして3年でシングルス優勝。その目標を達成するためには、落ち込んでいる暇はどこにもなかった。
「今の自分に足りないものは何かを考えました。粘り強いラリーでシャトルを落とさないのが持ち味。それを磨くためには、体力をつける必要があると思った」
休校だった4月〜6月には、琵琶湖岸をほぼ毎日走った。距離は7〜8㎞。ペースは1㎞を4分前後。確実に心肺機能は上がった。計測せずとも実感としてわかった。
余談だが、桑原は駅伝メンバーに選ばれるほど足は速かった。自粛期間のラン練習のおかげでさらにスピードがついた桑原は、今年も駅伝メンバーに選ばれ、大津市のブロック予選を通過し、11月の県駅伝(希望が丘)を走っている。
話を戻す。中学の部活を引退した桑原は、(進学予定の)高校の練習に参加しながら着々とバドミントンの腕を磨いている。
「高校生はやっぱり強い。あのスピードやパワーに今から慣れておくのは自分にとってプラスですね」と桑原は話す。
彼は高校3年でインターハイ優勝を掲げているが、その準備がコロナ禍でほぼ1年早まった分だけ、目標達成も少し早まる可能性はある。
来年の夏、彼がどこまで成長しているか、楽しみしかない。
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桑原明也
瀬田北中学校
2005年7月24日生まれ、彦根市出身。彦根市立城東小学校卒。小学4年にシングルスで滋賀県3位となり、翌年には県1位。小学6年の時にはシングルスとダブルスで全国大会出場、ダブルスでは近畿1位にも輝いた。中学はバドミントンの強豪である瀬田北に進学するため、一家で大津市に引越し。中学1年から頭角を現し、中学2年でシングルス県優勝。全国中学生大会に出場し、JOCジュニアオリンピックカップにも出場。173㎝、52㎏。