2018.09.01
【SKETCH of 高校スポーツ】[特集Ⅰ] Make Miracle ~夏の奇跡~ ③
旅行気分で向かったインハイ。お土産は”金メダル”。
初Vへの道は焼き鳥店から
今年4月。 インターハイ滋賀県予選を前に、草津東高校アーチェリー部の団体メンバー4人は一緒に焼き鳥店へ行った。士気を高めるために…。 その際、こんな話が出たと三浦慧子と北田有希乃(3年)は打ち明ける。
「インターハイ団体に出場できたら、4人で旅行に行くみたい。 楽しいやろうなぁ。 頑張って出場権取ろうなって」。
なんともゆる〜いエピソードだが、この軽さがメンタル的によかったのか、彼女たちは出場権という名の”旅行券”を手にして岐阜へ。 そして”金メダル”というお土産まで手にしてしまうのだから、スポーツは面白い。
そして本番。 三浦・北田・長谷川幸穂(3年)の3人は、バックアップメンバーの寺元汐里(3年)のサポートを受けながら、 次々とトーナメントを勝ち上がっていった。準決勝では強豪・甲南女子(兵庫)をシュートオフ(延長戦)の末に破って決勝へ。 そして丹南(福井)に競り勝ち、草津東初の優勝に輝いた。
ラッキーな部分もあったと渓充監督は振り返る。 「今年からJOCエリートアカデミーのメンバーを揃えた東京の足立新田が出場していた。 仮に決勝に進んでも、足立新田には…と思っていたら、丹南に準々で敗れるという番狂わせがあった。その時、ひょっとしたら…と思いました」。
丹南に勝った瞬間、草津東のメンバー全員が泣いた。 三浦は 「信じられなかった」 と言い、北田は 「実感はなかったけど、うれしさがこみ上げた」 と話す。
三浦・北田の2人は、 「第3回全日本中学生アーチェリー選手権大会」 で優勝した渋谷樹里(皇子山中学)と共に10月の福井国体に出場する。 次はどんな旅土産を持って帰るだろうか。
アーチェリー女子団体
三浦慧子・北田有希乃・長谷川幸穂・寺元汐里
[草津東高校アーチェリー部]
Team Profile/9年前のインターハイで3位に。今年は6年ぶりに男女揃って団体戦に出場。女子は創部初のインターハイ制覇。優勝メンバーは4人とも高校からアーチェリーを始めた。
高校最後は”滋賀”と対戦
八幡西中学出身の山崎佑月(3年)は「知っている先輩もいたので、自分もここで剣道を頑張ってみたい」 と、花園高校へ進学した。
そして高校1年から団体メンバーに入るなど活躍を見せた。だが、1年の終わりにあった近畿大会では、有効打を2本先取される”2本負け”の屈辱を味わうことに。 「今でも鮮明に、しかもスローで思い出せます。 綺麗に、自分が打たれる瞬間の映像を(笑)。 今は笑い話ですけど、1年生で試合に出させていただいていたという思いもあって…当時は落ち込みました」。
だが、これが転機となった。 練習では今まで以上に丁寧に打ち、1本1本に集中した。 そして高校3年生の今夏、京都府3位で近畿大会に出場し、ベスト16入りを果たすことになる。
「一つでも多く勝ち上がりたいと思って必死にやってきた。 少しは強くなれたと思います。 悔いはありません」
山崎の高校最後の相手は草津東。 地元滋賀の高校と戦うという、不思議な巡り合わせだった。
剣道
山崎佑月
[花園高校剣道部]
1年生ペア、堂々の銀
昨年、全国中学生大会を制した遠藤帆夏・今西愛依ペア(比叡山高校1年/オーパルカヌーチーム)が、今年はインターハイのカヌースプリント・カヤックペア500mで準優勝した。 まだ高校に上がったばかりの1年生。 大会前は 「3位までに入れたらいいなぁ」 と話していた2人だが、目標以上の結果となった。
遠藤は、兄・環太(11ページ参照)とは違って、うれしい銀メダルとなった。