2019.09.20
[陸上競技・5000m競歩]草津東高校 菊田陽世
競歩歴約2年でインハイ準優勝。裏には母とのある約束があった。
沖縄で行われた、今年のインターハイ5000m競歩で、草津東高校の菊田陽世(3年)が準優勝に輝いた。競歩を始めて約2年。高校最後の大舞台で見事に大輪を咲かせてみせた。
小学3年から陸上競技をはじめた菊田は、水口中学1年から3大会連続で全国中学駅伝を走っている。早くから頭角を現した菊田は、滋賀長距離界の期待の星だった。
だが、高校では思うような結果を残せず。高校1年の夏に、小澤信一監督から競歩を勧められた。
「最初は嫌でした。走るために草津東に入ったので。でも、先輩の小田(梨紗子)さんが活躍する姿を見てカッコいいなと思うようになって、楽しくなってきた」
先輩の背中を追いながら、菊田は実力を伸ばしていった。小澤監督は彼女の強みをこう評す。
「とにかくピッチが速い。だからスピードを抑えさせないと体が宙に浮いて失格になる危険性がある。インターハイでもあと1回で失格になる怖れがあったので、ラストスパートをセーブさせました。それがなければ優勝も狙えた」
菊田自身も「スタートラインに立っても緊張はなかった。大会前に嫌ってくらい追い込んだからかも。日本一になれると思った」と話す。
だが、結果的には安全策をとって準優勝。菊田は「でも、悔しくはなかった。やりきった感覚があった。それにお母さんとの約束も果たせたので、全く悔いはありません」と笑顔を見せた。
母との約束は高校1年の時に交わした。沖縄に行きたがっていた母に「自分が高校3年の時に沖縄でインターハイがある。絶対にお母さんを連れて行く」と話した。
今年のインターハイには家族全員が沖縄に駆けつけ、声が枯れるほど声援をもらった。レース後、菊田は家族から「おめでとう」という祝福の声をかけられ、笑顔がはじけた。
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菊田 陽世
草津東高校
Profile/きくだ・ひなせ。2001年10月2日生まれ、甲賀市出身。伴谷小学校、水口中学校を経て、草津東高校。小学3年から甲賀JACKで陸上競技をはじめた。中学時代は1500m、800mをメインに、駅伝では3年連続で全国大会に出場。高校1年から競歩をはじめ、高校3年のインターハイで準優勝に輝いた。151㎝