2019.03.08
[陸上]城山中学校 治武杏祈
治武杏祈(城山中3年)の胸に光るのは、2018年の全中とジュニアオリンピック、ともに3位入賞で手にしたメダル。 これが、全国の舞台初挑戦での成果だというから驚きだ。 これをきっかけに、今春から大阪の陸上強豪校へ進学することも決まった。
治武が陸上を始めたのは、小学生にありがちな他愛もないきっかけだった。 犬が飼いたいと父親に頼んだところ、校内持久走大会で1位をとれたらという話になり、地元の陸上教室に通い始めたのだ。 結局、1位はとれなかったものの、なんとなく陸上を続けることに。 高学年になると短距離で記録が伸び始め、走ることが楽しくなってきた。
中学では100mをメインに、部の成績を引っ張る存在ではあったが、全国レベルに届くことはなかった。 中学最後の大会となる全中前の県大会で、ライバルに100mで負けてしまう。 しかし、これが治武の才能を引き出すことに。 「同じ子に200mでも負けるわけにはいかない、と思って走ったら自己ベストがでた(笑)」。 負けず嫌いを発揮し、全中の参加標準記録を大きく上回るベストタイムを出した。 それからは毎日200m×6本、坂道ダッシュ×6本を走り込み自信へとつなげた。
全中を振り返り 「初挑戦だったから、周りは知らない選手ばっかりで、逆にプレッシャーは感じなかった」 と話すあたりからは、大物の片鱗もうかがえる。
また、「中学の部活で強い気持ちが持てるようになった。 高校ではもっと上を狙っていきたい」 と、すでに気持ちは次のステージへと向いているようだ。
今春からは親元を離れ、寮生活が始まる。 持ち前の明るさとポジティブな気質で、未来へと走り出してほしい。
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治武 杏祈
城山中学校
Profile/じぶ・あずき。2003年12月8日生まれ、甲賀市出身。水口小学校を経て、城山中学校へ。小学3年生で地元の陸上教室「甲賀JAC」で短距離走を始めた。中学では100mをメインに大会に出場し、中2の夏に近畿大会女子100m準優勝。中3の夏、初めて挑戦した200mで、全国中学校体育大会(全中)3位入賞。その後のジュニアオリンピックでも3位入賞を果たす。