2025.01.01

校内放送や体育大会などで活躍中。“大谷ライフ”を明るく彩る存在。

大谷らしさ溢れる放送部

 大谷高等学校の放送部は「KBS京都CMコンテスト」や「神戸インディペンデント映画祭」に作品を出し、「いのちを考える講演会」の司会を務めるなど活動は多岐にわたる。だが、部活動は週2回。約10名の部員はほとんどが他のクラブと兼部している。どちらかと言えば、ゆるい感じの部活動である。

 上野釉楽くん(2年)は生徒会執行部と兼部している。「高1の時に生徒会の子に誘われて…。朗読が好きだったので、まぁいいかと思って入りました」。軽い気持ちで入った放送部だったが、想像以上に居心地が良く楽しいと話す。

「僕らの提案を顧問の先生は〝やってみたら〞と常に後押ししてくれる。自由な雰囲気が好き」

 生徒の自主性を重んじる大谷らしい部活動と言えるかもしれない。

心地よい声が校内に流れる

 中学校でコンピューター部の部長を務めていた上野くんは、生徒会執行部で主に映像編集を担当している。放送部でも編集作業はあるが、上野くんは「声」を担当している。昨年11 月にスタートした校内放送『大谷見聞録』ではDJ風の軽快なMCが好評のようだ。

 音楽やクイズなどをメインに毎月更新している『大谷見聞録』だが、中でも人気が高いのは企画モノ。今年3月には卒業式に合わせ、愛されキャラの前校長をフィーチャリング。功績を讃えたり、時にはユニークな言動をいじったり。笑いあり、涙ありの神回は卒業生や保護者から評判となった。ほかにも学祭スペシャルなどの企画モノで学校を明るくしている。

 上野くんが本領を発揮したのが読書の秋にちなんだ朗読回だった。

「中学の国語の授業で朗読をほめられたことがあります。それから、どういう風に読めばもっと良くなるのかを考えるようになったし、朗読にはこだわりがあります。『大谷見聞録』を聞いて〝良かったよ〞と言ってもらえた時は、やっぱりうれしかったですね」

 2025年に大谷高等学校は創立150周年という節目の時を迎える。放送部として記念事業に関わることがあるなら上野くんは「ぜひ参加したい」と話す。「決まった原稿を工夫して読むのが得意なので、ナレーションなどで関われたらうれしいです」。心地よい声色を、さらに遠くの人たちへ届けたいと願う。

上野 釉楽

大谷高校 放送部

うえの・ゆうら。彦根市立南中学校卒。中学時代はコンピューター部の部長を務めた。そこで得たタイピングのスキルは大谷高校放送部で行う動画の編集作業などで活かされている。高校では生徒会執行部と兼部している。

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