2024.11.01
レイクス7代目キャプテンに就任。 在籍最長5季、ブレイクの予感。
前田 健滋朗HC
INTERVIEW
新たに前田健滋朗HCを迎えた今シーズンの滋賀レイクスは、過去とは違ってキャプテン未定のままチームが始動した。外国籍選手が合流し全選手が揃った上で、自然とリーダーシップを発揮している選手にキャプテンを任せよう。そういう意図があったようだ。
そして白羽の矢が立ったのが野本大智である。今シーズンでレイクス5季目。2021年の特別指定選手からレイクス一筋の生え抜きは、それだけの覚悟をもって今シーズンを迎えている証拠だ。前キャプテンの柏倉哲平やフィリピン代表のキーファー・ラベナ、日本代表の川真田紘也らが抜けた中で、野本は虎視眈々と〝ブレイク〞を狙っている。
〈Q〉レイクス再契約を結んだ理由は?
今シーズンのチーム編成の話をした時、レイクスに残った方が成長できるかなと思ったからです。昨シーズンはキーファーがメインのポイントガードだったけれど、彼が移籍したことで自分が活躍できるチャンスも増えるかなと感じました。昨シーズンの役割はディフェンス中心だった。嫌なわけじゃないけれど、僕が新たにチャレンジできることはオフェンス。チームをうまく回したり、チームの核となる選手に挑戦したいと思いました。
〈Q〉キーファー以外にも同ポジションの柏倉哲平と湧川颯斗が抜けた。意識の変化は?
みんなが抜けたこともそうですけど、今シーズンは若い選手が多くなってチームの中で自分の年齢が高い方になってきました。その面で自ずとリーダーシップが出てきました。自分がポジティブな方に持っていかないとチームが落ちていくとも感じています。チームを引っ張っいく覚悟はあります。
〈Q〉前田健滋朗HCからはどんな役割を求められていますか?
個人的にはディフェンスでもオフェンスでもボールをアドバンスする選手になること。ボールを前に運ぶことでスピード感をチームに伝染させたり、ディフェンスも一番上でしっかり相手につくことで周りにも強度を伝染させたり。あとはリーダーシップですね。
〈Q〉今シーズンの個人目標は?
昨シーズンはB2だったけどレイクス在籍4季の中で最も勝利数が多かった。その点は自信につながっています。ただ、個人的に立てていた目標には届かなかったので悔しさが残りました。それを今季はB1で晴らしたいという思いが強い。数字的な目標としては1試合平均10点以上です。特に3Pシュートは1試合1本は決めたいです。成功率は35%くらいかなぁ。それを達成するためにオフに3Pシュートを磨いてきたので、しっかりと決めていきたいです。今シーズンもたくさんの応援、よろしくお願いします。
〈Q〉滋賀レイクスHCのオファーがあった時、率直にどう思いましたか?
BリーグでHCをさせていただける機会はそんなに多くはないと考えていました。たくさんいいコーチはいらっしゃいますからね。長崎との契約が満了になったタイミングで滋賀レイクスからお話をいただいて、すごくうれしく思いました。また、レイクスはB2で成功したチームですし、そういう強さを持った状況で自分に大きな役割を任せてくださったことに感謝と感動がありました。
〈Q〉7月12日のティップオフ記者会見では「3Pシュート」を一つのカギとして話されていました。
実際、3Pシュートは多くなるかなとは思っています。でも、やはり大事なことは「どう3Pシュートを打つか」「どうレイアップを打つか」だと思います。いかにアドバンテージをもった状態でそのシチュエーションに持っていくかが大切だと思います。私のバスケットの特徴をトランジションや3Pシュートだとイメージされるかもしれませんが、こだわりとしてはシュートまでの過程です。
〈Q〉理想のバスケットは?
特に理想はありません。アドバンテージをどうやって作り出して、どう活かすかが自分の中ではバスケットの大事な部分です。その方法の一つがトランジションであり、今いる選手たちと「混ざる部分」が私のバスケットかなと思います。
〈Q〉開幕の相手は出身地・大阪のチームですが、やはり意識はされますか?
正直、今(オフ期間)は「明日いい練習をしたいな」としか考えていないです。その先に大阪エヴェッサ戦があるかなと。チームとして大事にしていることは1%でもいいから毎日成長することです。だから、また明日もいい練習をしたいなと考えています。でも、B1復帰後の最初の試合ですし、自分たちがどういうバスケットをするのかは非常に大事だと思います。B1での戦いを待ち望んでおられた方もいらっしゃると思いますし、その方々に喜んでいただけるようにしっかりと準備したいと思っています。
ファイナル進出2チームが…
今シーズンの西は超激戦区か
東・中・西の3地区に分かれて開催されるB1リーグ。東地区では元NBAの渡邊雄太が入団した千葉Jが地区優勝の最有力候補だろう。それを日本代表の比江島慎を擁す宇都宮、元日本代表の藤井祐眞が加入した群馬が追う展開か。
中地区は日本代表の河村勇輝がNBA挑戦で抜けた横浜が下馬評を下げてしまった。その中で本命はやはりA東京か。それを三河、名古屋Dが追う構図に。
西地区には昨季のファイナルで激突した広島と琉球が所属。この2チームを軸に元レイクスの川真田紘也が加入した長崎、多くの日本人選手が残留した島根あたりが追うと予想される。レイクスはこの激戦区で台風の目になれるか。開幕ダッシュに成功して勢いに乗りたいところだ。
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野本 大智
滋賀レイクス
1998年6月25日生まれ、群馬県出身。183㎝・80㎏。筑波大学から2021年に特別指定選手としてレイクスへ加入。今シーズンで5季目。Bリーグ発足後としてはレイクス在籍最長の選手となる。昨シーズンはB1復帰が決まるB2プレーオフセミファイナルの山形ワイヴァンズ戦GAME2でキャリアハイタイの18得点をマーク。今シーズンはキャプテンに就任した。