2023.07.01

第73回 長浜ひょうたんボウル[アメリカンフットボール]立命館大学 vs. 早稲田大学

〝聖地〞が湧く春のビッグゲーム。甲子園さながらの熱戦に拍手喝采。

新スタジアムで初開催

 国内3番目の歴史を誇る「長浜ひょうたんボウル」は今年で第73回目を迎えた。
今回は日本アメリカンフットボールの聖地・長浜から飛び出し、平和堂HATOスタジアム(彦根総合スポーツ公園 陸上競技場)へ舞台を移して開催された。

草津リトルパンサーズとワセダクラブによるフラッグフットボール親善交流試合で幕を開けた今回。
第21回 関西中学アメリカンフットボール選手権2回戦(長浜市立南中学校vs.立命館守山中学校)や長浜450年戦国フェスティバル武将隊パフォーマンスなどの催しを経て、いよいよメインゲームへ。
今年は創部70周年を迎える立命館大学パンサーズと昨年の関東覇者・早稲田大学ビッグベアーズの対戦とあって、試合前からスタジアムは熱気に包まれた。

緊迫した残り2分の攻防戦

大学アメフトは頂上決戦の甲子園ボウルへとつながる秋シーズンが本番である。
ゆえ、春はいわゆる調整期間という位置付けになるが、長浜ひょうたんボウルは別。

立命館の藤田直孝監督は「我々は滋賀県に練習拠点を置いているチームです。毎年、強豪チームを招待していただいていますし、やはり負けられない思いは強い」と話す。しかも、今年は昨年の甲子園ボウル出場チームである早稲田が対戦相手。日本一をめざす立命館にとっては絶対に負けられない一戦となった。

試合は第1Qから立命館が好プレーを連発して前半を14│3で折り返す。
だが、複数のケガ人を出した立命館は徐々に早稲田にペースを握られ、第4Q終盤にこの日2つ目のタッチダウンを許して21│ 19の2点差に迫られた。残り時間は約2分。早稲田はキックオフでハイリスク・ハイリターンのオンサイドキック(短いキック)を選択。ベンチから「(ここで攻撃権を)取れたら勝ち」という声が飛ぶ中、早稲田がこの賭けに成功し、大逆転劇へ向けたシナリオをスタートさせた。

 早稲田は最初の攻撃権をパス主体に組み立て、残り59秒でタッチダウンまで約39ヤード地点まで攻め込む。そして逆転を狙ってフィールドゴール(キックプレーで3点獲得)を試みる。だが、その大事な場面で立命館が粘り強いディフェンスを見せ、執念で2点リードを守り切った。

 平和堂HATOスタジアムに駆けつけた約1600人の観衆からは両チームを讃える拍手が贈られた。
これだから長浜ひょうたんボウルはおもしろい、それを実感できる1日だった。

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