2022.11.04

【日本インカレ陸上】〝黄金期〟のトップランナー 山本亜美

インカレで2冠達成

 今年6月。山本亜美(立命館大学)は、世界陸上の代表選考会を兼ねた「第106回日本陸上競技選手権大会」の女子400mHで2連覇を達成した。56・38秒は日本歴代6位の記録。多くのトップアスリートが巣立っている滋賀陸上〝黄金期〞の中にあって、彼女の存在は今、最も強い輝きを放っている。
当然、今回の日本インカレでも注目度が高く、京滋の関係者が見守る中でのレースは昨年とは違う雰囲気だった。
だが、そんな重圧をものともせず決勝では2位を大きく引き離して優勝した。

「インカレは初優勝ですけど、負ける気はしなかったです。むしろ、56秒台を狙っていた中で57・23秒だったことが悔しい。でも、滋賀や京都でお世話になっている方々に自分が優勝する姿を見せられたことはうれしく思います」

 淡々と話した後、山本は足早に取材エリアを後にした。理由はこの後に4×400mリレー決勝を控えていたからである。
山本は京都橘高校3年時にインターハイが中止(コロナ禍の影響で)になったこともあって、リレーでの全国制覇を果たせていない。立命館大学に進学した一つの理由も「〝マイル〞で優勝したいから」だった。
 アンカーを任された山本は僅差でバトンを受けると一気にスパートをかけて引き離す。最後の直線では高校の同級生である安達茉鈴(大津市出身/園田学園女子大学)の猛追をかわして日本一に。レース直後、メンバーと抱き合う山本の目には光るものがあった。

山本亜美

立命館大学

やまもと・あみ。草津市立山田小学校、松原中学校、京都橘高校を経て立命館大学へ。現在2年生。高校から400mH(ハードル)を始め、2年時には茨城国体・少年女子共通400mハードルで優勝(京都高校記録)。3年時はコロナ禍でインターハイが中止も、10月の日本選手権400mHで4位に。2021年の日本選手権で初優勝。2022年の日本選手権では2連覇を達成した。

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