2022.07.05
"三銃士"がこの夏、世界を驚かせる File.02[ カヌー・スプリント]オーパルオプ テックスカヌーチーム
将来のオリンピアンと真剣勝負
カヌー・スプリントの若手有望選手が世界から集う「オリンピックホープス」が、9月9日から11日にスロバキアで開催される。この大舞台にオーパルオプテックスカヌーチーム(大津)から3名が出場する。
U17日本代表の小林陽菜(大津高校3年)は2年連続の出場となる。昨年は日本人女性初のファイナリスト(決勝進出)という快挙を達成。当然、目標はそれ以上に定めている。
「昨年は決勝に残ることが目標でしたが、今年はメダルを狙っていきたい。海外選手とのパワーの差を埋めるために、一漕ぎでの推進力を高めるようなトレーニングをしてきました。その成果を出し切りたいと思います」
同じく2年連続で挑むのがU15日本代表の中岡誠琉(北大津高校1年)だ。「小学生の頃から国内では全国優勝を果たしてきましたが、海外では準決勝の壁が崩せない。その差を埋めるために、冬場は自宅のエルゴマシンで毎日1時間のインターバルトレーングを繰り返して体力強化を図ってきました。今年のオリンピックホープスでは必ず決勝進出を果たしたい」
そしてオリンピックホープス初出場となるのがU15日本代表の神田仁湖(真野中学3年)である。「代表に選ばれたのは今回が初めて。海外でのレースは初ですし、海外に行くこと自体も初めてです。どれだけ海外の選手とのパワー差があるのかも想像できませんので、大会までに課題であるパドリングのテクニックを磨いて、自分のパフォーマンスを出せるように集中したいと思っています」
良き仲間であり、良きライバル
3人の中で最年少は中学3年の神田。最年長は高校3年の小林。その中間にいるのが高校1年の中岡だ。3人は普段から仲が良いそうだが、年齢が近いこともあって競技面ではお互い意識し合う間柄らしい。
小林は中岡と神田を「すごくストイック」と評し、2人は小林を「ストイック」だと言う。では、3人の中で誰が最もストイックかと問うと、沈黙し、答えが出てこなかった。
3人を小学生の頃から指導してきたオーパルオプテックスカヌーチームの江口貴彦監督は「みんなストイックですね」と笑う。「陽菜(小林)と誠琉(中岡)は競技を始めた時期もほぼ同じですし、いい刺激を与え合っています。陽菜が昨年のオリンピックホープスで決勝に残ったので、先を越された誠流は相当くやしがっていると思います。仁湖(神田)も陽菜に追いつけ追い越せでやってきていますし、今年の国体予選では陽菜よりもいいタイムを出しました。陽菜がほとんど練習できていなかったのもありますが、それでもすごいことです。この3人はライバルですね」
9月の大舞台で世界を最も驚かせるのは誰だろうか。オーパル〝三銃士〞の戦いが今から楽しみだ。