2022.03.07
将来性に富むターゲットエイジ 伊藤大翔[陸上競技 男子100m]
18ヶ月のプログラムを通じて、改めて陸上競技の楽しさを知る。
誰もが名を挙げる今年のスター候補
毎年、馴染みのある県中学陸上の先生たちを捕まえては「今年の注目選手は誰ですか」と訪ねる。すると、短距離や中・長距離、跳躍、投擲など、各専門分野を中心に有望選手たちの名が次々と挙がってくる。それだけ滋賀の中学陸上が盛んな証拠だが、その中で種目の垣根を飛び越えて誰もが口にする選手がいる。過去で言えば、昨年の日本陸上女子100mで準優勝に輝いた立命館大学の壹岐あいこ(南郷中学校卒)、走幅跳で高校生初の8mジャンパーとなった東洋大学の藤原孝輝(高穂中学卒/当時は走高跳の選手)など。昨年度で言えば、全中女子1500mで4位に入賞した森谷心美(立命館守山中学)である。では、2022年は?男子100mの伊藤大翔(日吉中学2年)である。
〝レイクス〞で始め強豪・日吉で揉まれる
伊藤は小学3年から陸上競技をはじめた。きっかけは滋賀レイクスターズが運営するレイクス陸上スクール。小学6年生の頃にはコンバインドA(80mハードル、走高跳)で全国6位に入賞するなど頭角を現してきた。そして短距離の有望選手を輩出してきた日吉中学へ進学する。有酸素運動と筋トレを織り交ぜたサーキットトレーニングを軸にした部活で身体を作り、一気に才能が開花する。中学1年時はコロナ禍で思うように練習できなかったにも関わらず、中学2年の記録会(昨年5月)で100mの自己ベスト(11秒27)を更新した。
中学ラストイヤーとなる今年。伊藤は滋賀県中学記録(10秒83)の更新を虎視眈々と狙っている。「今の県中学記録は日吉中学出身の橋本さん(浩志/日本体育大学)が出した記録です。偉大な日吉の先輩に、少しでも近づき、できれば記録を塗り替えたいと思っています」
中学の部活に加え、今もレイクス陸上クラブの練習に参加している。目標を達成するためなら〝二足のわらじ〞もいとわない覚悟だ。
滋賀レイキッズで〝陸上好き〞を再認識
今や陸上競技にどっぷりハマっている伊藤だが、「もともとスポーツが好きで、幼い頃から体操などいろいろとやってきた」という。その流れの中に滋賀レイキッズもあった。「滋賀レイキッズは父がテレビで見つけてくれた。一次、二次、面接を乗り越えて合格した時は、いろんなスポーツができると思ってうれしかったですね。特に印象に残っているのはアイスホッケーとショートトラック。氷の上を滑る感覚が楽しかった」
18ヶ月(約20回)のプログラムを通して、今まで体験したことのない動作やトレーニングに出会った。さまざまな発見は今の競技生活に役立っている部分も多い。何より、陸上競技へのモチベーションが上がった点がよかったと伊藤は振り返る。「多くのスポーツを体験する中で、やっぱり自分は陸上競技が向いている、そして好きなんだと再認識できたことが大きいかなと思います」
2025年に滋賀国スポが開催される。その時、伊藤は高校3年生。少年男子部門の中核を担う〝ターゲットエイジ〞である。「滋賀レイキッズには感謝していますし、国スポに向けてこれからも頑張っていきます」と笑顔を見せた。
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伊藤大翔
滋賀レイクスターズ
いとう・はると。2007年8月1日生まれ、千葉県出身。日吉中学2年。4歳から体操をはじめ、小学3年から滋賀レイクスターズ陸上クラブで陸上競技をはじめた。小学5年男子100mで県2位。小学6年時にはコンバインドA(80mハードル、走高跳)で全国小学生陸上競技交流大会(日清食品カップ)6位入賞を果たした。男子100mの自己ベストは11秒27。滋賀レイキッズ第5期生。