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2021.12.10

日本人女子初の”ホープス”ファイナリスト 【カヌー・スプリント】 小林陽菜

やっと、インターハイ開催

 カヌー・スプリントで将来が期待される小林陽菜(大津高校2年)が、今年8月のインターハイ・シングルで2冠(200m・500m)を達成した。当時の率直な感想を聞くと、喜びのコメントではなく「やっとインターハイかぁ、です」という意外な答えが返ってきた。

 小林は安土中学3年の頃、JOCジュニアオリンピックカップ全国中学生カヌー大会で500mシングルと500mダブルで優勝している。2冠の栄誉を引っさげて、昨年は高校1年でインターハイ制覇をめざしていた。だが、楽しみにしていたインターハイがコロナ禍で中止に。その悔しさを〝やっと〞晴らせたというわけである。
「インターハイ中止は残念でしたけど、その分、じっくりと筋力アップに取り組むことができました。高校からは器具を使ったウェイトトレーニングをはじめ、パワーがついた実感もありました。(やっとの)インターハイではその成果を出せたのかなと思います」

 ただ、その〝成果〞はインターハイだけで止まることはなかった。

会心のパドリングで決勝へ

 今年9月、U 16日本代表に選ばれていた小林は「オリンピックホープス」という国際大会に出場するためチェコへと渡った。同大会に参加するのは中学以来2度目。だが、今回は参加するかどうかを最後まで悩んだという。

 小学生の頃から小林を指導するオーパルオプテックスカヌーチームの江口貴彦監督は「チェコのコロナ対策が不明な部分もあって、我々もすごく迷いました。最後は本人と家族が相談して決断しました」と当時を振り返る。いつもとは異なる緊張感の中で、小林の挑戦ははじまった。

 順調に予選を突破した小林は、過去に日本人選手たちを跳ね返していた準決勝という壁の前に立った。自身も中学時代に洗礼を受けた高いハードルだった。
「周りには180㎝を越す大きな選手もいました。でも、自分のレースをすれば勝てると信じていました。しっかり練習を積んできたという自信があったからです」

 持ち味の速いピッチをスタートから披露した小林は、レース中盤で加速に成功した。そして課題だった後半でさらにスピードを上げていく。
コロナ禍に負けず取り組んできた成果がこの大一番に出た。「準決勝は周りに流されることなく、自分のレースができました」。まさに会心のパドリングだった。

 世界から将来のオリンピアン候補が集う「オリンピックホープス」で、日本人女子がファイナルに進出したのは史上初。現地メディアも小林を取り上げたという。江口監督は「どれほどの偉業かがわかるエピソードです」と説明した。

 小林は決勝の前に江口監督に連絡したという。「(監督から)決勝に行けたことに満足せず、しっかり戦っていこうと言われた。その言葉ですごくワクワクした気持ちになりました」
 結果は8位入賞。オリンピック候補が集う大会で同世代の世界8番目はミラクルである。

小林陽菜

オーパルオプテックスカヌーチーム

こばやし・はるな。2005年3月12日生まれ、近江八幡市出身。安土中学校から大津高校へ。現在2年。オーパルオプテックスカヌーチームで小学4年から競技をはじめ、中学3年のJOCジュニアオリンピックカップ全国中学生カヌー大会500mではシングル(1人乗り)とダブル(2人乗り)で優勝。今年はインターハイで2冠(シングル200mと500m)を達成。

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