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2021.03.19

高難度〝エアー〞を持つサムライ。2022北京冬季五輪へジャンプ 藤井源

高難度〝エアー〞を持つサムライ。
2022北京冬季五輪へジャンプ

「出たい」から「決勝へ」

滋賀のフリースタイルスキーと言えば、伊藤三姉妹が活躍したモーグルを思い浮かべるかもしれない。だが、近年の湖国ではスロープスタイルがトレンドである。

コース上のジブアイテム(障害物)とジャンプ台で技の難易度を争うこの種目。障害物は大会毎に異なり、どんなものが用意されるかは試合前日もしくは当日にしかわからない。言い換えると、障害物を見てから短時間で攻略や技の構成を考えなくてはいけない〝出たとこ勝負〞の種目である。

この難解なスロープスタイルの日本代表に、守山市出身の藤井源(ヤマゼンロックザキッズ)が名を連ねている。しかも、実力は国内2番手。2022年の北京冬季オリンピック出場が期待される逸材だ。

藤井は2019年に初めて世界最高峰のFISワールドカップ(アメリカ大会)に出場した。当時まだ高校生(近江高校2年)。

「周りは、名前を聞くだけでビビるくらいのすごい選手ばかり。緊張しまくりました(笑)」と冗談っぽく当時を振り返る。結果は予選敗退( 30位)だったものの、気持ちの面で大きな転機となる大会だった。

「ワールドカップに〝出たい〞が目標でしたが、この大会から〝決勝に残りたい〞に変わりました」

持ち味はコースを読む力 翌シーズンはワールドカップ3大会に出場したが、いずれも予選敗退に終わった。そして2020年4月に中京大学へ進学。心機一転、大学生としてワールドカップ決勝進出を狙うはずだった。だが、新型コロナウイルスの影響で昨夏のニュージーランド合宿が中止に。長引くコロナ禍で1年を通してほとんど雪上練習ができない異例の事態となった。

とはいえ、藤井は常にポジティブだった。「(自粛期間中は)課題だった体幹の強化やランニングで体力の向上もできた。ジャンプ台のある施設でエアーの練習はできましたし、大きな問題はなかったのかなと思います」

ちなみに藤井の得意エアーは「スイッチダブルコーク1260」。後ろ向きジャンプから横3回転と縦3回転を加える複雑なもので「日本人でこれができるのは3人だけ」らしい。だが、藤井の持ち味はエアーだけではない。

「試合前にジブセクションを見て、自分の得意な技をどう組み立てていくか、いかに成功率を高く保てるかといったコースを読む能力には自信があります。エアーはあくまで組み立ての一部です」

2022年の北京冬季オリンピックに出場するには、FISワールドカップで8位以内に1回入るか、12位以内に3回入るかのどちら
か。過去最高が30位の藤井にとっては高いハードルだが、決して超えられない壁でもない。

「ワールドカップを経験したことで国内大会が楽に思えるようになった。同じように、ワールドカップの決勝に残れば、予選通過の見え方が変わってくるかもしれない。だから、できるだけ早く予選通過を経験しておきたい」

〝北京〞に向けて、2021年は勝負の1年。若き日本代表の戦いに熱いエールを送りたい。

藤井源

ヤマゼンロックザキッズ

Profile/ふじい・げん。2001年10月18日生まれ、守山市出身。フリースタイルスキー/スロープスタイル日本代表。立入が丘小学校、市立守山中学校、近江高校を経て、中京大学。現在1年。小学1年からスキーをはじめ、小学4年から大会に出場。高校からヤマゼンロックザキッズに所属。2019年からFISワールドカップに出場し、2019 年のアメリカ大会で30位。2020年はカナダ大会35位、イタリア大会39位、アメリカ大会32位。172㎝、63㎏。

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