2019.04.12
【残留力インタビュー】♯35 伊藤大司 「個人の成績よりチームの勝利」
優勝を知る男、伊藤大司。プレータイムを求めて滋賀レイクスターズへやってきたベテランは、今季かつて経験したことのないチームの低迷に苦心した。だが、終盤に主力の外国人選手2人を入れ替える“荒療治”に成功したのも、伊藤のリーダーシップとコミュニケーション能力があってこそ。スタッツに残らない部分でもチームを支え続けてきた男は「自分がどうこうより、プレータイム、得点、アシストよりチームの1勝2勝3勝というのが全然うれしい」と、ようやく終盤に訪れた上昇気流に心を弾ませている。
[Q]ここまで追い込まれた状態で終盤を迎えた経験がなかった。
こういう状況は初めてだった。もちろん、ある程度の絶対勝たなくてはいけないというプレッシャーは感じなければいけないと思うし、感じることによって責任感も生まれる。だが、それがプレーに出て消極的になるとか、大事に行きすぎて空回りするのは避けたかった。 期待に応えなければいけないが、コートでは無の状態でアグレッシブに戦わなければいけない。
このチームは流れが悪いときは気分が乗らなくなって空回りすることが多かったので、どれだけ考えずに気分良くプレーできるかがカギだと思っていた。
[Q]チーム最年長になった。経験もあるし、精神的に支えなければいけなかった。
状況が状況なだけに、ポジティブな影響を与えなければいけないと思っていた。
シーズン通していろんな局面があったけど、その中でも 「タイシさんに話したらいいや」 とか 「タイシさんと一緒に解決できるかも」 と思ってもらえるような存在にはなりたい。 そこは外国人選手とのコミュニケーションの部分では英語もしゃべれるし。 それ以外でも、悩んでいる選手とか気持ちが下がっている選手がいた中で、僕から積極的に声をかけたり、向こうから 「ちょっといいですか」 って話してきてくれるような存在には、ずっとならなくちゃいけないと思ってやっている。その部分はさらにもっと表に出していきたいと思ってやっていた。
[Q]それは今まで所属したチーム以上に意識していた。
そうですね。 本当にそれがリーダーシップの部分では、このチームには必要だと思っていた。今まで以上に、自己犠牲ではないが、自分より本当にチームのことを考えてプレーしなければと思っていた。
[Q]勝ちからここまで離れていることはなかった。
自分がどうこうより、プレータイム、得点、アシストよりチームの1勝2勝3勝というのが全然うれしいので、今は。残りのシーズンは、それぞれがそれを思ってプレー出来たらと思う。