2019.02.22

[柔道]甲南高等養護学校柔道部OB 藤田大貴・厩本拳伍・大城たけお

初の知的障害者の柔道全国大会で爪痕残す!
柔道が新しい世界を広げてくれる。
昨年、知的障がい者の柔道家を対象にした初の全国大会「第1回全日本ID(知的障がい者)柔道選手権大会」 が開かれた。滋賀県からは甲南高等養護学校の柔道部OBの4名の選手が出場。 大会は、体重別や競技レベル、障がいの程度を考慮し、9つのクラスに分かれて行われた。 高校時代から健常者の大会で戦ってきた彼らは、巻き込み技が禁止されるなどの特別ルールに戸惑うこともあったが、藤田が優勝、大城が2位、厩本は3位と健闘した。 大会を振り返り、「緊張したけど、いい経験になったし、すごく楽しかった」 と声を揃える。

3人はともに高校の部活動で一緒に汗を流し、卒業後も週に4日ほど共に練習に励んでいる。 知的障がい者が、部活動として毎日練習に取り組める環境があるのは全国的にも珍しいのだとか。 高校から柔道を始めた大城と厩本は 「先生にしかられることもあったけど、たくさんの技を覚え、できるようになっていくのが楽しかった」 と話す。

彼らを指導してきたのは、日本視覚障害者柔道連盟日本代表女子のコーチも務め、障がい者スポーツを取り巻く環境にも精通している坂下和子顧問。 「反復の基礎練習など、面倒くさい練習も手を抜かず真面目に取り組むのが彼らの特長。柔道は肌をぶつけ合う相手がいる競技なので、相手のことを気遣うことが大切になります。 そういった人間として大切な部分も彼らは大きく成長しました」 と話す。

全柔連では、今後は世界大会への選手派遣も検討されている。 藤田は 「柔道を通して新しい世界が広がりました。 ぜひ、世界大会の出場も目指してみたいです」 と意欲的だ。 3人の柔道家の道は、これからも続いていく。


Profile/ふじた・だいき。1997年5月10日生まれ、甲賀市出身。小学1年生のときに地元の教室で柔道を始めた。第1回全日本ID柔道選手権大会Hクラス優勝。


Profile/まやもと・けんご。2000年1月7日生まれ、甲賀市出身。甲南高等養護学校1年生のときに柔道部に入部。第1回全日本ID柔道選手権大会2Bクラス。3位。


Profile/おおしろ・たけお。1999年1月15日生まれ、湖南市出身。甲南高等養護学校2年生のときに柔道部に入部。第1回全日本ID柔道選手権大会Dクラス準優勝。

関連記事