2019.02.18

[弓道]甲南高校弓道部 谷口和幸

悔しさをバネに、わずか1年で有言実行。ビッグマウスが次に語る目標は…
「全国大会に出場する!」、甲南高校弓道部の谷口和幸(3年)がそう口にしたのは2年生の秋だった。 それまでの谷口は県大会への予選通過も危うい実力。 周りは谷口の宣言をビッグマウスと笑い飛ばしたが、本人は本気だった。

「かなりの負けず嫌いなんで(笑)。高校最後の大会は絶対勝ちたかった」 と谷口。 それから約1年、多いときには1日12時間練習するなど、真剣に弓道に打ち込み、昨年10月に行われた 「福井しあわせ元気国体」に少年男子の滋賀選抜メンバーで出場。 見事、近的で優勝を手にした。

目標達成に満足かと問えば、「いえ、来年の国体でリベンジします」と意外な答え。 実は、初めて臨んだ国体という大舞台。 先に行った遠的種目は、谷口のミスが続き入賞を逃していた。 その悔しさを晴らしたいと挑んだ近的種目、気持ちを立て直し、強い集中力で4本すべて命中。 チームの優勝に貢献した。だが、今回は台風24号の影響で、競技日程が短縮されたことに伴い、特別ルールで上位8チーム同時優勝だったのだ。 「春からは社会人なので、この先は成年男子の部になります。 ライバルは増えますが、国体でしっかり決着をつけて、堂々と胸をはれるよう必ずリベンジします」と力強く話す谷口。 ビッグマウスはまだまだ健在だ。

谷口を見守ってきた弓道部の森田顧問は 「弓道で向き合うのは人ではなく、動かない的。 良い結果も悪い結果も自分次第といえます。部員にも厳しいことは言いません。自主性に任せ、谷口のように頑張りたいという子には、その環境を整えてやるのが私の仕事ですね。 もちろん卒業後も練習したいと言えばサポートします」 と話す。

練習場を覗いてみると、冗談が飛び交い和気あいあいとした雰囲気。 顧問や学校の懐の大きさが、谷口が伸び伸びと成長できた要因のひとつだろう。

谷口 和幸

甲南高校 弓道部

Profile/たにぐち・かずゆき。2000年7月29日生まれ、日野町出身。日野小学校、日野中学校を経て、甲南高校へ。小・中学校時代は野球に打ち込む。高校の部活見学で弓道部の楽しそうな雰囲気に惹かれ入部。昨年開催された「福井しあわせ元気国体」の弓道の少年男子近的で優勝した。

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