2026.04.09
昨年10月の全日本で7位入賞。 「楽しむ」心が飛躍の原動力に。

「上手い」の評価が重圧となる
大津商業高校アーチェリー部は2021年と22年にインターハイ女子団体で全国2連覇の偉業を達成した。勝見 麗はその時の中心選手だ。他の団体メンバーが関西圏の大学へ進む中で、勝見は関東圏の日本体育大学へ進学。あえて親元を離れ、部員50人を越す大所帯に飛び込んだのは、サバイバルに勝ち残ることで自分を高めようと考えたからだった。
大学2年の23年には、U21日本代表として世界ユース選手権の女子団体9位に大きく貢献した。23年度には学生王座決定戦の団体戦で優勝し、25年度は2位に輝いている。結果を見れば、勝見の関東行きは正解だったと言えるだろう。
だが、結果が出れば出るほどプレッシャーが重くのしかかった。
「大学や滋賀県でも上手いと言われてきました。すると、その期待に応えなきゃいけないと思うようになっていきました。頑張らなきゃ、頑張らなきゃと緊張して、どんどん縮こまっていきました」
団体戦では本来の力を発揮できた一方で、1人で戦う個人戦では思うように行かなかった。日本の頂点を決める全日本ターゲット選手権では「毎年、予選落ち。ずっとナショナルチーム選考会にも進めなかった」と話す。責任感の強さが彼女の冒険心を奪っていった。
初めて楽しめたトーナメント戦
転機となったのは昨年10月の全日本ターゲット選手権だった。
「今まではちゃんと結果を残さないといけないと思っていました。でも、ふと思ったんです。私は誰のために競技してるんだろうって。一度ベクトルを自分に向けて、チャレンジャーの気持ちで自分のベストを出せるように頑張ってみようと思いました」
すると、今まで壁として目の前にあった予選ラウンドを突破。さらに32分の1、16分の1、8分の1とトーナメントを勝ち上がり、最終的に7位入賞を果たした。
「初めて、トーナメントの試合を楽しいと思えました」
狭き門にチャレンジする
勝見は今年の目標としてナショナルチーム入りを掲げている。選ばれるのは16人。全日本ターゲット選手権7位を考えれば、充分に狙える位置にいる。
代表入りの条件は、まず10月の全日本ターゲット選手権で優勝すること。次に11月の日本代表選考会で残り15人に残ることだ。
代表選考会は全日本ターゲット選手権の優勝者を除く上位32名で争われる。2日間のうち1日目で16人に絞られる。また1日目で1位になった選手はこの時点で代表入りが決定する。つまり、選考会2日目に残された代表枠は14人という狭き門となる。
しかも、代表選考会は2日間で72射×4のトータルスコアでの勝負となる。技術はもちろん、持久戦を乗り切る体力と、高い集中力を保ち続ける力が求められる。
さらに、勝見は「U21日本代表選考会の時は殺伐としていて、楽しめるような雰囲気ではなかった」と話す。おそらく今回も似た雰囲気になるだろう。その中で自分の力を出せるかどうかが問われることになる。
28年のロサンゼルスオリンピック出場に向けた戦いがいよいよ本格的に始まる。滋賀から世界へ、勝見の挑戦に注目したい。

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勝見麗
日本体育大学
かつみ・れい。大津市出身、21歳。大津商業高校卒。2021年・22年にインターハイ女子団体で2連覇を達成。23年にはU21日本代表としてU21世界ユース選手権に出場し、女子団体9位に。23年には学生王座決定戦で団体優勝。25年の同大会では団体準優勝に輝いた。また25年には全日本ターゲット選手権の個人7位入賞。28年のロサンゼルスオリンピックをめざして活動中。








