春季総体ボート競技は男子シングルスカル柴原琢臣（老上中学3年）の独壇場だった。

スタートから2位以下をぐんぐん引き離し、500m以降は他の追随を許さないひとり旅。
それでも柴原はスピードを緩めずゴールまで漕ぎ切り、ギャラリーをざわつかせた。

昨年10月の全国新人大会を制し、今年3月の全国選抜も優勝した柴原は別格だった。
「夏の全中で中学三冠を達成したい」と話す逸材に、県内ではもはや敵はいなかったわけである。

だが、意外にも競技を始めたのは中学からだという。次世代アスリート発掘育成プロジェクト
「滋賀レイキッズ」で体験したのが最初だった。

「ボートとカヌーの違いもわからず、せっかく滋賀にいるので湖上スポーツがいいなと思ったのがきっかけです」
　そこから競技歴2年少々で全国トップクラスに。

「夏までに体重を5㎏増やしてパワーをつけたい」と話す柴原は、間違いなく今夏の主役候補だ。

健闘の2位V

　元安 梓・嶋田康佑　老上中学校／レイクスターズ・ロウイングクラブ

　レイクスターズ・ロウイングクラブの元安と嶋田は共にシングルスカル2位と健闘した。嶋田は「柴原くんはちょっと速すぎる。でも、2位なのでうれしい」と話した。元安は「エルゴ（マシン）を繰り返してきた。レース後半に成果は出せ」と爽やかに笑った。

2レース目で初V

　和田 陽・藤木颯太　瀬田北中学校

男子ダブルスカルを制した和田・藤木は、今回の春季が2レース目だった。和田は「それまでは別のダブルで」、藤木はシングル」。初レースは5月上旬の朝日レガッタで順位は2位。その悔しさを今回の優勝で晴らし、目標は自然と「全中で優勝です」と高くなった。

大会2連覇！

　三村真由　野洲北中学校／琵琶湖漕艇場BRC

昨春に続き、大会連覇を果たした三村。だが、表情は微妙。理由は「勝ったのはうれしい。でも、全国選抜で私よりも順位が上だった瀬田北の内田さんがシングルで出てなかったので」だった。モヤモヤを晴らす舞台は夏の全中。
「中学最後なので優勝したい」。