2026.08.25
退路を断つ。オリンピックのために。

将来のオリンピアン候補が集う「オリンピックホープス」で、日本人女性初のファイナリストとなったカヌースプリントの小林陽菜。26年春に同志社大学を退学し、現在は小学生の頃から通っているオーパルオプテックスカヌーチームに所属して競技を続けている。本来なら今年は大学4年生の年。あと1年で卒業のタイミングで、なぜ大学を辞めたのだろうか。まずはその真相から聞くことにした。
〈Q〉同志社大学を退学した理由は?
初めてシニアのA代表に選ばれたからです。代表合宿などでほとんど滋賀には戻ってこられないですし、大学に通うのも難しいというのもあって…。カヌーに集中するための退学です。
〈Q〉初のA代表選出により、何か心境の変化はありましたか?
26年3月の代表選考会では得意としている500mで代表4枠に残れなかったのですが、なんとか翌日の1000mで挽回してA代表に入ることができました。今回の選考会では、まずA代表に選ばれることを目標にしていたので、やっとシニア代表の仲間入りができた感覚があってすごくうれしい気持ちでした。代表合宿では日本のトップレベルの先輩たちと常に一緒で、すごく身の引き締まる思いです。先輩たちの背中を近くで見て、いろいろと吸収もしたいですし、先輩たちに追いつけるようにもっと頑張らないといけないという気持ちになりました。
〈Q〉今回のA代表選手により、28年ロサンゼルスオリンピックに向けてのスタートラインに立った感覚でしょうか?
そうですね。本当にスタートラインに立ったなという感覚はあります。今年9月のアジア大会(愛知)にはフォア(4人乗り)で出場しますが、この大会はロサンゼルスオリンピック出場の国枠を取る上で重要な大会になります。アジアでは中国が圧倒的に強く、5月のワールドカップでも中国が優勝しています。世界で見ても中国はトップレベルなので、なかなかアジア大会で優勝するのは厳しいです。でも、なんとか食らいついて、金メダルを取りたいと本気で思っています。
〈Q〉中学・高校生の頃から世界を舞台に戦ってきましたが、やはりシニアA代表として挑む国際大会はプレッシャーの大きさが違いますか?
そうですね。シニアA代表としてのプレッシャーもありますが、今までチームボートで国際大会に挑んだ経験がないので、難しさというか、未知のものに挑戦する緊張感があります。シングルやペアとは違うテクニックが求められますし、何よりチームワークが必要になります。でも、そこがおもしろいです。先輩たちと親密な関係を築いて、お互い高め合って頑張れる点がすごく新鮮ですし、みんなで一緒に積み上げていく楽しさも感じています。まだまだ私は未熟なので、漕ぎの癖を無くしたりなどやることはいっぱいです。プレッシャーを感じている暇はないです(笑)。
〈Q〉28年のロサンゼルスオリンピックはフォアでの出場をめざす?
フォアがやはり一番狙いやすいとは思います。国枠は本大会までの2年間で計10大会にエントリーし、ランキング上位11チームが出場枠を得られます。合計10大会(2026、2027)で枠を取れなかった際は、2028年のアジア大陸予選で優勝すれば出場枠を得られますが、日本は上位11位以内に入っての出場をめざしています。現在はその国枠を取るための戦いをしている段階です。仮に国枠が取れたとして、オリンピックに出られる保証はありません。個人としては28年の時点で日本代表に選ばれていなければ、ロサンゼルスオリンピックには出場できない。ただ、そもそも国枠が取れなければ出場はできないので、まずは9月のアジア大会に全力を注いできます!

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小林 陽菜
オーパルオプテックスカヌーチーム
2005年3月12日生まれ、近江八幡市出身。安土中学校、大津高校、同志社大学(中退)、オーパルオプテックスカヌーチーム所属。JOCジュニアオリンピックカップ全国中学生カヌー大会500mシングルとペアで優勝。インターハイ2冠や「オリンピックホープス」日本人女性初のファイナリスト(決勝進出)などを達成。25年はASIA PACIFIC SPRINT CUP 2025のU21ペア500mで優勝、滋賀国スポで入賞するなど活躍。26年春に同志社大学を退学し、28年のロサンゼルスオリンピック出場へ向けて挑戦中。








