2025.05.01
〝ユニバー〟経由、〝世界〟を狙う
気が引きしまる想い
25年度からレイクスターズファンドサポートアスリートとして活動する西田有里と山本釉未(立命館大学2年生)は「気が引き締まる想いです」と話す。
特に滋賀県で生まれ育った西田は「(400mハードルの)山本亜美さんや偉大な滋賀の先輩たちも活動されてきた道。自分も結果で応えていきたい」と強い気持ちがあるようだ。
西田は草津東高校時代にインターハイ800mで2年連続2位、国体で2年連続優勝などの好成績を残している。立命館大学1年だった昨年は4月の「第21回U20アジア陸上選手権大会」800mで優勝も経験。「日の丸を背負って走ることは目標でしたし、自身初の国際レースで結果を残せたことは自信にもなる」と振り返る。
ただ、その約2か月後の「日本陸上選手権大会」では、思い描いた景色は見られなかった。
「決勝にも残れず、U20世界陸上も逃した。昨年の中で一番悔しかった大会です」
その日本陸上を制したのが話題の高校生アスリート、久保凛(東大阪敬愛)だった。
「久保選手は7月の大会で日本勢初の2分切り(1分59秒93)も記録した。一気に競技レベルは上がったと思いますし、私も刺激を受けました。今年は9月に東京2025世界陸上もあります。昔から意識してきた大会ですし、代表選考レースの日本選手権までにレベルアップしてリベンジしたい」
〝ユニバー„はマストの目
中学までふるさとの大分県で過ごした山本。滋賀については「全中駅伝(希望が丘文化公園特設コース)を走った思い出深い場所です」と話す。レイクスターズファンドサポートアスリートとして「今度は私の走りで滋賀の皆さんにたくさんの感動を伝えたい」と笑顔を見せた。
昨年、山本は開花した。大学1年で駅伝メンバーを勝ち取ると、全日本大学女子駅伝では2区で区間新をマークし、富士山女子駅伝では4区の区間新の力走でチームの優勝(ともに大会新)に大きく貢献した。
個人としても日本選手権5000mで優勝し、ペルーで開催された「第20回U20世界陸上競技選手権大会」にも出場。順風満帆の1年かと思われたが、苦い経験もあったという。
「U20世界陸上の代表を勝ち取れたことは嬉しかったです。その前にU20アジア陸上に代表を逃していたこともあって、込み上げるものがありました。自身初の海外レースとなったU20世界陸上はアフリカ勢以外では最高位の6位に入賞することができました。一方、ペルーでは水はもちろん全ての飲食物に注意を払っていたのですが胃腸を壊すという経験もしました。この経験は世界で戦うということにおいて良い経験だったと思いますし、良い経験にする覚悟です」
奇しくも同じ年に国際大会という未知の扉を開いた2人。今年の目標も「FISU ワールドユニバーシティゲームズ」(7月21日〜27日/ドイツ)出場と同じだ。その日本代表を決める「日本学生陸上競技個人選手権大会」(4月25日〜27日/神奈川)に向けて声を揃える。
「大学生のオリンピック。出場はマストの目標です」
サクセスストーリーの第2章がいよいよ幕を開ける。
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山本 釉未 / 西田 有里
立命館大学
左:やまもと・ゆうみ。2005年9月26日生まれ、大分県出身。立命館宇治高等学校を経て立命館大学へ。2024年はU20日本選手権5000m優勝、U20世界選手権5000m 6位。全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝では区間新(大会新)の走りで優勝に貢献。 右:にしだ・ゆり。2005年6月15日生まれ、守山市出身。市立守山中学校、草津東高校を経て立命館大学へ。現在2年生。2024年はU20アジア陸上競技選手権大会優勝、日本インカレ女子800m準優勝ほか。