2023.05.01
目標は「オリンピック出場」。 そう公言するようになった理由 福田大和
初のGP制覇で意識に変化
昨年のインターハイ柔道男子60㎏級を制した比叡山高校の福田大和(3年)が「オリンピック出場をめざす」と公言し始めた。これまでは「まだオリンピックを口にできるレベルではなかった」と話す。心境変化のきっかけとなったのは、今年1月下旬の「柔道グランプリ ポルトガル大会」優勝だった。
「国際大会はポルトガルが2回目です。前回は昨年12月の東京グラドスラムでしたが、その時は2回戦負けでした。今回は初めての海外試合で、20時間のフライトや時差、食事の面など慣れない環境下で優勝することができた。
自分の中で一つ段階が上がったというか、うっすらとオリンピックというものが見えた気がします。
なので、目標はオリンピックと言うようにしました」
福田スペシャル+αを磨く
福田の強みは寝技だ。相手が倒れてから技を決めるまでのスピードが群を抜いて速く、誰も真似できない。この寝技は福田スペシャルと呼ばれている。
「ポルトガルのGPで自分の寝技が世界でも通用するとわかりました。比叡山高校では組手の細かい技術などを教わり、また試合に向かうための心の持って行き方などを学び、それが結果として出てきているとも感じます。
でも、さらに上に行くためには立ち技でも武器を作らないといけないと思います」
もちろん、福田に立ち技がないわけではない。むしろ得意な方だ。だが、器用すぎるためか、寝技の〝福田スペシャル〞に並ぶような立ち技での〝代名詞〞がない。それが今の課題だと話す。
「投げ技が足りないと思っています。何か柱となるような投げ技があれば、さらに寝技を活かすこともできると思います。代名詞となるような投げ技をなるべく早く作りたいですね」
4月1日の全日本選抜体重別選手権は1回戦で敗れたものの、福田の視界にはすでに〝世界〞が映っている。高校ラストイヤーの今年、どこまで〝オリンピック〞の輪郭を鮮明にできるか注目したい。
-
福田大和
比叡山高校
2006年1月27日生まれ、兵庫県出身。比叡山高校3年。階級は60㎏級。 昨年のインターハイと全日本ジュニアで優勝し、10月の講道館杯で3位表彰台。2023年1月には 柔道グランプリ ポルトガル大会で優勝を果たした。162㎝、60㎏。