2020.01.17
【創刊100号特集】時代を築きし者たち[アスリート編]⑤
【FILE06】元カヌー選手 中村由萌
半世紀に1人の逸材
競技1年少々で世界へ
2014年4月から大学時代をレイクスサポートアスリートとして活動していた中村由萌。彼女が初めてレイクスマガジンに登場したのは八日市南高校2年の頃だった。
滋賀県のカヌー関係者から”50年に1人の逸材がいる”と紹介され、練習場の西の湖を訪ねた。そこには170㎝以上のスラッとした、手足の長い女子高生が待っていた。
持ち味は何か。中村は「長いリーチを活かした大きなストローク」だと答えた。だが、それだけではなく”天性の水をつかむ感性がある”と関係者は口を揃えた。
競技を始めた高校1年の頃からすぐにカヤックを自在に操り、高校2年で初の国際大会も経験。高校3年には飛び級でシニア日本代表となり、世界選手権に出場した。
現在は競技を離れ、レスリングの園田新(12ページ参照)と結婚。園田由萌として夫を支えている。
創刊100号を祝して
レイクスマガジン100号おめでとうございます。レイクスサポートアスリートとして競技をしていた時は、マガジンを通して、カヌーのことや私のことを発信していただいたことにより、多くの方に応援していただけたと感じております。ほんとうにありがとうございました。現在は競技から離れてしまいましたが、レイクスサポートアスリートのご縁でレスリングの園田新選手と出会い、専業主婦として夫のことを支えられるように頑張っています。私自身、選手だった時の知識を活かし、夫の夢である「東京オリンピック」を一緒に叶えられるように全力でサポートしていきたいと思います。これから先まだまだ続くレイクスマガジン!そして滋賀県アスリートの益々のご活躍をお祈り申し上げます。
Profile/なかむら・ゆめ。1996年1月5日生まれ、八日市市出身。八日市小学校、聖徳中学校、八日市南高校、日本体育大学卒。2014年から大学時代はレイクス・サポートアスリートとして活動。ジュニア世界選手権や世界選手権など世界を舞台に活躍。大学卒業と同時に選手を引退した。
【FILE07】元カヌー選手 東出千穂
全日本インカレMVP
全種目Vを狙った日々
2016年度にレイクスサポートアスリートとして活動したカヌーの東出千穂は”努力の人”だ。大津高校1年から競技をはじめ、高校2年・3年とインターハイのフォアで準優勝に輝くなど華々しい戦績を残したが、1学年下の中村由萌の台頭もあって”世界”への扉を開けることができなかった。
だが、彼女は諦めるどころか、関西学院大学でさらに努力を続けた。そして大学3年の2015年には全日本インカレ500mシングルとペアで2冠を達成し、200mシングル、フォア、フォアリレーの3種目で銀メダルを獲得。女子カヤック部門でMVPに輝き、ライバル中村越えも果たしてみせた。
だが、東出は「まさかのMVPでした。200mで優勝していないのに…」と語った。そして翌年、東出は全日本インカレで全種目優勝を目指す。なんとも努力の人らしいエピソードだ。教員になった今も、きっと努力を続けているに違いない。
創刊100号を祝して
現在、私は高島市の小学校で教員をしています。目まぐるしい毎日ですが、和気あいあいとした温かい職場でやりがいを感じながら過ごしています。天真爛漫な子供たちからは、無限の力を感じます。子供たちの新鮮な発見やがむしゃらに頑張る姿から刺激を受けながら多くの事を学ぶ事ができます。
レイクスサポートアスリートの頃は、レイクスのレセプションパーティに参加させていただき、滋賀県内に自分の事を応援して下さっている方々がいると知り、とても嬉しかったです。その事が、自信や練習への熱に変わりました。競技をする中で、感謝の気持ちが持てたのもこの経験があったからだと思います。レイクスマガジン100号おめでとうございます。マガジンを通して、様々な競技で活躍する選手を知り、滋賀県がスポーツを通して盛り上がっていることを感じています。これからも毎号楽しみに待っています。
Profile/ひがしで・ちほ。1994年11月4日生まれ、守山市出身。河西小学校、守山北中学校、大津高校、関西学院大学卒。高校からカヌーをはじめ、高校2年と3年時にはインターハイのフォア(4人乗り)で準優勝。大学では2015年に全日本インカレのシングルとペアで2冠を達成。女子MVPに輝く。