2019.07.17

[高校野球特集] 近江高校硬式野球部

大本命たる。

「第101回 全国高等学校野球選手権滋賀大会」 が7月7日に開幕する。
今年の”大本命”は、16年ぶりに春季近畿大会を制した近江。
昨年の主力を残す前年王者を止めるチームは、果たして現れるのか。熱い夏を展望する。

”過去最強”との呼び声も

近江を率いる名将・多賀章仁監督は、今年のチームを 「強い相手と勝負しても力を出せる。 こんなチームはなかなかできない」 と評す。 実際、16年ぶりに制した春季近畿大会(近畿大会)の決勝では、兵庫の神戸国際大附を延長11回の激闘の末に制している。 滋賀県出身の住谷湧也(3年)や土田龍空(2年)ら、昨夏の甲子園を沸かせた主力打者も健在。”過去最強”との呼び声が上がるのもうなずける。

ベスト8入りした昨夏の甲子園と同じく、近畿大会でも13打席10安打と爆発した住谷は 「冬に1日1000本くらい打撃練習を繰り返し、昨年以上に長打力がついたと思います」 と話す。 近畿大会の準決勝・智弁学園(奈良)戦ではサヨナラ3ランを放つなど勝負強さも見せた。 夏に向けては「まず滋賀制覇。 その次に甲子園優勝を狙う」。 近江ブルーの主砲は全国の頂点を見据えている。

同じく、昨夏の甲子園で”スーパー1年生”として話題を集めた土田も注目だ。多賀監督が 「相手にとっては嫌な一番打者」 と評す土田は、50mを6秒01で走る俊足の持ち主。 「自分は2ストライクからでも強気のバッティングができる。大舞台でも緊張しない。 滋賀大会も初戦の第一打席から全力でやるだけです」 と話す。

ほかにも、近畿大会決勝で勝負を決める走者一掃の二塁打を放った板坂豪太(3年)ら強打者が揃う。 近江打線は今年もかなり魅力的だ。

バッテリーも甲子園経験者

近江の強さは、何も打撃力だけではない。 昨夏の甲子園を経験した左腕・林優樹と捕手・有馬諒(ともに3年)のバッテリーがそのまま今年も残っている。 近畿大会の決勝では林が11回を見事に完投。 「準決勝の智辯学園戦に続く連投でも投げ切れた。 冬場の投げ込みで体力を強化してきた成果だと思います。 夏の滋賀大会を1人で投げ切る自信もある」 と話す。

マックス137キロのストレートを軸に、カーブ、スライダー、チェンジアップを組み合わせて打者を打ち取る林。 「すべての球種に磨きをかけてきた」 と話すエースは、今年の滋賀大会、甲子園を沸かせる準備はできている。

その林をリードする捕手・有馬は、昨夏の甲子園で敗退した翌日にキャプテンに就任した。 有馬は 「主将に任命された時、”また甲子園に戻りたい”だった気持ちは”みんなを甲子園に連れて行かないといけない”に変わった。 自分たちの代では滋賀で1度も負けていない。 でも、滋賀では勝てると思っていては足元をすくわれる。 しっかり目の前に集中して”一戦必勝”で勝ち上がっていきたい」 と話す。

6月25日に滋賀大会の組み合わせ抽選会が行われた。 近江は初戦(2回戦)でデータ班を擁す膳所と対戦する。 なかなか手強い相手だが、有馬は 「相手は関係ない。 全力で近江の野球を貫くだけです」 と言い切る。 王者には、おごりもない、死角もないようだ。

近江高校硬式野球部


Profile/1957年創部。2001年夏に甲子園準優勝。昨年は記念すべき第100大会で8強入り。今春のセンバツ出場は逃したものの、春季近畿大会で16年ぶりに優勝するなど強さを見せている。

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