2017.11.04
[陸上]石部高校 中井準登
”日本人最速男”に刺激を受けた日々
10月6日〜10日に開催された愛媛国体の男子4×100mリレーに、男子100mで日本人初の9秒台をマークした桐生祥秀(東洋大学4年)が滋賀チームのアンカーとして出場した。 日本最速男へバトンを渡す大事な3走を託されたのが、石部高校陸上競技部キャプテンの中井準登(3年)。 彼にとっては最高のタイミングで迎えた国体だった。「大会中はずっと桐生さんを観察していました。 滅多にない機会ですから」 と振り返る。
特に桐生から影響を受けたのは、オンとオフの使い分け。 「宿舎ではすごくリラックスされていたし、予選もまだゆる〜い感じだったけど、準決勝で急にスイッチが入ったというか…。 オーラというか、あの集中力の入れ方はハンパなかったですね」
中井は小学生の時にリレーで滋賀県2位になるなど早くから頭角を現した。 だが、膳所高校の向山理一朗など同世代にライバルが多く、全国の土を踏んだのは高校2年の日本ユースが最初。 素材はいいが、経験という部分に物足りなさがあった。そういう意味でも、桐生と過ごした数日間は彼の競技人生のターニングポイントになる可能性は高い。 本人も 「2020年の東京オリンピックのマイルリレーメンバーになりたい」 と、より目標が具体的になったから面白い。
毎日1時間かけて通った高校3年間では「基礎体力をつけることを目指した」と話す。20〜30分のサーキットトレーニングで体幹を鍛え、筋力アップに努めた。 体重も入学当初から約8㎏増え、100mのタイムも中学時代から1秒ほど縮まった(自己ベスト10秒77)。だが、まだまだ完成形ではないと中井は話す。
「高校ではまだ筋肉を固めていない。 大学で固めたら、もっとタイムは伸びるはず…と思っています」
優秀なアスリートを多く輩出している滋賀の陸上競技界から、楽しみな存在がまた1人誕生しそうだ。
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中井 準登
石部高校 陸上競技部
Profile/なかい・じゅんと。1991年6月1日生まれ、大津市出身。田上小、田上中を経て石部高校へ。小学4年から陸上競技をはじめ、中学3年時には男子200mで県1位になるなど早くから才能を開花させた。今年の愛媛国体では「桐生さんに、そろそろ自分のサインを考えろと言われ、(リレーメンバーの)双葉中の須戸と一緒に考えて提出した(笑)」と言う。スターへの階段を登る準備はできている(?)。