2016.12.28
LAKERS / びわこ成蹊スポーツ大学 / アルティメット部
みんなで考え、行動し、つかんだ全国制覇。
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年前に立てた日本一の誓い
10月の第27回全日本大学アルティメット選手権で、びわこ成蹊スポーツ大学アルティメット部 男子「レイカーズ」が初優勝を飾った。決勝戦の相手は日本体育大学。2015年世界 U-23 アルティメット選手権の日本代表(ミックス部門)を率いた監督が指揮を取る強豪だ。
その U-23 日本代表チームで共に世界と戦ったレイカーズの吉見怜(4回生)は「相手が何をやってくるかは想像できた。だから、向こうが仕掛けてくるのをかわして、こっちが仕掛けるような我慢の展開に持ち込めた。シー ソーゲームを最後まで耐えて力を出し切れたのが勝因でした」と決勝戦を振り返る。一時は2点ビハインドの状況になりながらもなんとか食らいついて延長戦へ。結局、 11-10という僅差を競り勝った。MVPを受賞した山家龍汰(4回生)は「自分たちが2回生の時に、みんなで日本一になろうと誓いを立てた。一つ一つ試練を乗り越えて、最終的に悲願を有言実行できたので本当にうれしかった」と笑顔を見せた。
真面目に、かつ楽しむチーム
アルティメットはフライングディスクを1チーム7人でパスを回しながら、相手エンドゾーン内へ運び、そのゾーン内でディスクをキャッチすれば得点が入る。ロングパスやダイビングキャッチといったビッグプレーが成功すると会場が沸く。想像以上に攻防は迫力があり、アメリカンフットボールのタッチダウンに似た興奮がある。特にレイカーズの面々はビッグプレーに限らず、常に喜びと悔しさをフィールドで全面に押し出す。吉見は「他チームを見ていたら何で喜ばないんやろうって思う時がある。レイカーズやったら大騒ぎするのになぁと。うちの特徴はまず真面目にプレーする、そしてなおかつ楽しむ。楽しむことにかけては最初からどこにも負けない自信があった」と話す。もう一つの大きな特徴は、日本体育大学のように専門の指導者がいないことだ。キャプテン岡野恭太(4回生)はこう説明する。「練習メニューも試合の戦術も自分たちで考える。代表とか選抜とかに呼ばれて参加した選手たちが、しっかり学んで色々と持ち帰り、それをフィードバックさせてチームを作っていく。でも、指導者がいないと、気を抜くとすぐに甘えが出てしまう。それをどうやって自分たちで追い込めるか。嫌なことでもお互いに言い合えないとだめ。もちろん意見の食い違いもあるし、衝突もする。でも、そういうのも含めて自分たちだけで 日本一になった。そのことに対しては、特別なものを感じます」学生が自ら考え、自分たちを律し、紆余曲折を繰り返しながらもチームを成長させていく。 その過程は口で言うほど簡単ではない。レイカーズの初栄冠は、単に勝った負けた以上に、大きな意味を持っている。